2010 Fiscal Year Annual Research Report
PGC-1βを介した翻訳後修飾による新たな果糖応答性肝脂質合成調節機構の解明
Project/Area Number |
21890110
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
永井 義夫 滋賀医科大学, 医学部, 医員 (90402718)
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Keywords | 果糖 / 糖鎖 / メタボリックシンドローム / 栄養 |
Research Abstract |
in vivoでのPGC-1・およびO結合型糖鎖修飾の変化 マウスを通常食および高果糖食にて4週間飼育した後、空腹時および再摂食後における肝でのPGC-1βのタンパク発現ウェスタンブロット法を用いて検討した。その結果、食事摂取により、肝PGC-1βのmRNAは低下するものの、タンパク発現には変化を認めなかった。この結果はPGC-1βの翻訳後修飾可能性を示唆するものであった。次にO結合型糖鎖修飾の変化を検討したところ、食事摂取によりO結合型糖鎖修飾受けるタンパクは非特異的に増加を認めるものの、通常食群と高果糖食群との間には差は認めなかった。また、糖代謝におけるO結合型糖鎖修飾増加の経路であるヘキソサミン経路について検討した。この経路の律速酵素であるグルコサミン-6-リン酸合成酵素(L-グルタミン:D-フルクトース-6-リン酸アミドトランスフェラーゼ:GFAT)をはじめ、タンパクへO-GlcNAcを付加するO-glucNAcトランスフェラーゼ(OGT)、タンパク質からO-GlcNAcを除去する加水分解酵素O-GlcNAcase(OGA)のmRNA発現は、高果糖食により上昇を認めず、果糖食によるヘキソサミン経路の亢進を示唆するデータは得られなかった。 ただ、高果糖食により、これまでの検討通り転写因子SREBP-1cの発現が上昇しているのみならず、L-PKの発現も上昇しており、ChREBPの転写活性が上昇していることが示唆された。ChREBPはこれまで主にブドウ糖に反応する経路として知られていたが、我々の検討により同じ単糖類である果糖にも反応することが明らかとなり、果糖誘導性の脂肪合成に、SREBP-1cとは別な経路が存在することが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)