2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規樹立前立腺癌Xenograftを用いた新たな癌進展機構の解明
Project/Area Number |
21890120
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 洋祐 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (00542094)
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Keywords | 前立腺癌 / xenograft / androgen receptor mutation / ホルモン不応性 |
Research Abstract |
我々は現在までに2系統のXenograftの樹立に成功しそれぞれの系におけるホルモン不応性増殖能獲得機構についての解析・報告を行ってきた。今回新たに樹立に成功した3番目のXenograftはヒト前立腺癌の特徴(アンドロゲン依存性、AR・PSAの発現)をしめし、ARのシークエンスの結果codon874に点変異(H→Y)を有し、またPSAの発現も他の2系統に比べ著明に高いことがわかっている。過去の報告では、野生型ARに対してantagonistとして作用する抗アンドロゲン剤のフルタミドが、codon874の点変異(H→Y)を有するARに対しては、agonistとして作用するというものが散見される。しかし、我々の行ったレポーターアッセイの結果では、フルタミドはagonist作用を示さず、女性ホルモンであるエストラジオールが強いagonist作用を示していた。今後細胞株を変更し再度検討する予定である。また、マウスに直接各種薬剤を投与することにより腫瘍サイズを測定しin vivoでの各種薬剤に対する反応性を検討する予定である。細胞株の樹立に関しては、腫瘍を摘出する際に試みてはいるが、生着はするものの増殖が遅く、樹立には至っていない。アンドロゲン非依存性増殖能を獲得したと考えられるものは去勢後6カ月を経過した時点で10匹中1匹のみであり、現在のところcDNA microarrayによるアンドロゲン非依存性増殖能獲得に関与する分子の同定は困難な状況である。本xenograftでは病理学的所見において、間質細胞に裏付けされ乳頭状に増殖する上皮細胞を認める。本xenograftの著明なPSA上昇と関係している可能性があり、今後上皮間質問相互作用に関してもレーザーマイクロダイセクション法などを用いて検討を行う予定である。
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Research Products
(2 results)