2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21890129
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上田 裕紀 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授 (90543463)
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Keywords | 糖尿病 / 発症機序 / 原因遺伝子 / ZACl / NSYマウス |
Research Abstract |
1型糖尿病の発症にTリンパ球の制御異常が深く関与していると考えられる。前年度、Transforming growth factor-β(TGF β)で、転写因子ZaclがTリンパ球培養細胞株において発現誘導されることを見出した研究成果を基盤としさらに詳細に経時的な解析を施行した。Tリンパ球培養細胞株において.培養後第5日をピークとして、Zacl発現の有意な上昇(p<0.01)が認められた。また、Zaclの種々のスプライシングバリアントの内、どのスプライシングバリアントが発現誘導されているか検討したところ、7 zinc fingersでステロイドホルモンや甲状腺ホルモンなどの核内レセプターとC末端で共有結合できるタイプであることが明らかとなった。また、ZaclをTリンパ球培養細胞株にプラスミドを用いて導入し標的分子を検索したところ、Delta-like 1 homologを、標的分子の一つとしている可能性が見出だされた。さらに、また、Tリンパ球研究の世界的権威である米国スタンフォード大学Mark M.Davis教授を訪問し、Tリンパ球の制御に重要な役割を担う免疫シナプスと1型糖尿病発症原因遺伝子との関係における共同研究の日程を確定した。 2型糖尿病の研究に関しては、自然発症2型糖尿病モデルNSYマウスの系統育種をスタートさせ、コロニーを維持し、環境因子が遺伝因子に与える解析を目的としショ糖負荷試験を施行した。NSYマウスでショ糖負荷試験において、肝臓で誘導される遺伝子群を同定した。これらの研究成果は、糖尿病の発症予知・予防・新規治療法の開発に向けた研究を進める上で重要な研究成果であると考えられる。
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Research Products
(3 results)