2010 Fiscal Year Annual Research Report
iPS細胞の椎間板変性治療への応用と生体内iPS細胞バンク作成の試み
Project/Area Number |
21890140
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
角谷 賢一朗 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (10533739)
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Keywords | iPS細胞 / 椎間板再生 / 間葉系幹細胞 |
Research Abstract |
本研究はiPS細胞から椎間板髄核組織を分化誘導し椎間板再生を目指す事を第一の目的とした。iPS細胞から直接椎間板髄核細胞を分化誘導することは困難であったため、間葉系幹細胞(以下MSC)を分化誘導し、そのMSCと椎間板細胞を共培養法にて誘導することを試みた。まず、iPS細胞からMSCを分化誘導するに当たっては、embryoid bodyを浮遊培養にて形成を促し、このembryoid bodyにレチノイン酸を負荷する方法を採用した。結果、iPS細胞から一定の確率でembryoid bodyを作成可能となった。次に、embryoid bodyを播種しmonolayer cultureを行った、そこへレチノイン酸を負荷することで約1週間後にMSCが出現した。このMSCのcharacterは、アリザリン染色、オイルレッド染色、軟骨ペレット形成にて分化能を確認し、さらにCD44,CD34,PDGFRβ発現の評価を加え誘導された細胞はMSCと考えられた。続いて、分化誘導されたMSCをmonolayer cultureし、同様にmonolayer cultureされた椎間板髄核細胞と共培養しているが、現在のところ、椎間板髄核細胞として十分な形質をもった細胞の分化誘導には至っていない。今後、共培養するに当たって、それぞれの細胞比をMSC:髄核細胞=50%:50%,25%:75%,75%:25%として共培養すること、アガロースゲルを用いたペレット培養を行い3次元的に共培養する方法などを検討している。 最後に本研究の第2の目的として、iPS細胞、iPS細胞誘導椎間板髄核細胞を実験動物に投与し、生体への影響を観察する実験を予定してたが、現時点でiPS細胞から椎間板髄核細胞は分化できておらず、in vivoの実験系は開始できていない。
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