2009 Fiscal Year Annual Research Report
舌全摘患者に用いる新規「構音補助アプライアンス」の開発
Project/Area Number |
21890148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
洲脇 道弘 Okayama University, 大学病院, 助教 (30549829)
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Keywords | 構音障害 / 発音障害 / 舌接触補助床 / リハビリテーション / Palatal Augmentation Prosthesis |
Research Abstract |
本研究の目的は舌全摘症例に対する最適なPAPの形態を導き出すことである。PAPの形態は残存舌の機能印象を基に形成される場合がほとんどであるが、舌全摘症例についてはPAP形態の基準となる残存舌の運動が全くないため、術者が試行錯誤を繰り返しながら形態を決定しているのが現状である。実際、舌全摘症例に対するPAPの作製方法について記述した報告はみられない。また、舌全摘症例に対して複数のPAP形態を適応し、形態の違いと構音障害の改善効果について比較した報告はない。 本年度の成果を以下に述べる。 健常者を対象に舌運動阻害床を作製し、舌全摘症倒を想定した構音障害モデルを作製した。舌運動阻害床は熱可塑性樹脂で作製した。下顎の歯牙舌側のアンダーカットに維持を求め、下顎咬合平面の高さで舌を覆った。舌運動阻害床を装着することで発音時の舌の挙上を抑制することが可能となり、実験的に舌の運動障害による構音障害モデルを作製することができた。舌運動阻害床を装着した健常者に対して様々な形態のPAPを適応し、構音の改善効果が大きいと考えられる形態を以下の3パターンに絞った。 パターン1: 固有口腔全体を埋めるようなbulkyなもの。高さは口腔底にかろうじて接触しない位置に設定した。高さの設定はPIPを用いてPAP基底面と口底の接触面積を調整した。 パターン2: パターン1を基本形態とし、その高さのみを削除したもの。 パターン3: パターン1を基本形態とし、両側側面を削除したもの。 パターン2およびパターン3はパターン1に呼気の通路を加えたものである。呼気の通路が、PAPと口底の間かPAP側面のどちらに設置するべきかを検討する。 次年度は上記3つの形態を舌全摘患者に適応し、構音障害の改善効果について検討する。
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