2009 Fiscal Year Annual Research Report
潤滑機能性蛋白SZPの発現調節機構の解明と顎関節機能改善を目指した治療法の開発
Project/Area Number |
21890163
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
神谷 貴志 Hiroshima University, 病院, 歯科診療医 (40551057)
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Keywords | SZP / サイトカイン / 機械的負荷 / ヒアルロン酸 |
Research Abstract |
下顎頭軟骨は四肢の関節軟骨と同様、細胞外基質を豊富に含んでいるため、圧縮力や伸張力に対する粘弾性特性と摩擦力やせん断力に対する下顎頭表層における潤滑機能を有している。SZPは、四肢の関節軟骨ならびに顎関節表層に存在し、境界潤滑機能の役割を果たすことで関節運動時に重要な機能を発揮しているが、その発現調節機能は不明な点も多い。本研究では、顎関節に存在する潤滑蛋白SZPの発現調節機構を解明すること、およびSZPの治療薬としての有用性を検討することを目的とした。H21年では、ブタ下顎頭表層軟骨細胞を用い、顎関節病変において滑液中に有意に増加するサイトカインの種類がSZP発現にどのような影響を及ぼすのかについて検討を行った。その結果、IL-1β、TNF-αを添加することによりSZP発現は有意に減少したが、IL-6添加による変化はわずかであった。また、機械的負荷の影響を検討するため、フレクサーセルストレインユニットを用いて過度な負荷とされている5kPa、および過度な負荷と報告されている15kPaの機械的伸長力を与えSZPやサイトカイン発現にどのような影響を及ぼすかを検討した。その結果、5kPaにおいてはSZP発現は有意に増加したものの、15kPaにおいては、IL-1βの増加とともにSZP発現の減少が認められた。顎関節症の原因のひとつに摩擦係数の増加が報告されている。本研究の結果から、摩擦軽減に機能しているSZPの下顎頭における発現と調節機構が明らかとなり、サイトカインおよび機械的刺激により調整されていることが明らかとなるとともに、顎関節症の発現にSZPが関与していることが強く示唆された。
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