2010 Fiscal Year Annual Research Report
未分化間葉系幹細胞による骨再生誘導に対応した微小環境構築へのアメロゲニンの応用
Project/Area Number |
21890164
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
丹根 由起 広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50526241)
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Keywords | アメロゲニン / 未分化間葉系幹細胞 / 骨再生治療 / エナメル蛋白 |
Research Abstract |
平成22年度の研究では、アメロゲニンのヒト培養MSCの骨分化能に対する影響について検討を行うことを目的とした。 1)ヒト培養MSCにおける骨分化マーカー発現に対するアメロゲニンの影響 骨分化誘導を開始した骨髄由来ヒトMSCにおいて、アメロゲニンは骨分化マーカー(BSP、タイプIコラーゲン、アルカリフォスファターゼ、Runx2、オステオポンチン)の遺伝子発現を亢進することが明らかとなった。 2)ヒト培養MSCにおける石灰化度に対するアメロゲニンの影響 骨分化誘導開始14日目より、アルカリフォスファターゼ活性はアメロゲニン添加により有意に亢進した。さらに、アリザリンレッド染色法およびカルシウム定量法により、アメロゲニン添加群では骨分化後期に石灰化度が亢進することが明らかとなった。 3)ヒト培養MSCにおけるBMP-6遺伝子発現に対するアメロゲニンの影響 骨分化誘導を開始した骨髄由来ヒトMSCにおいて、アメロゲニンは骨分化の促進因子であるBMP-6の発現を有意に亢進することが明らかとなった。 以上のことよりアメロゲニンはヒトMSCの骨分化能を促進することが明らかとなった。特に骨分化後期においては、石灰化度の亢進を行うことが明らかとなった。また、アメロゲニンは骨分化の促進因子として注目されているBMP-6の発現を促進することが明らかとなったことより、アメロゲニンによるMSC骨分化能の促進にはBMP-6が関与している可能性が強く示唆された。
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Research Products
(3 results)