2010 Fiscal Year Annual Research Report
迅速PET脳血流・酸素代謝検査における非侵襲化のための非観血法の確立
Project/Area Number |
21890171
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
久冨 信之 香川大学, 医学部, 准教授 (20552045)
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Keywords | PET検査 / 脳酸素代謝量 / 脳血流 / 入力関数 / 非観血法 / 迅速検査法 / 動態解析 / 画像診断 |
Research Abstract |
本研究では、PET脳酸素代謝検査において、撮像した画像データから抽出した脳組織の時系列曲線から入力関数を推定する方法を開発し、検査を非侵襲にすることを目的とした。 今年度の研究では、検査で用いる標識酸素および標識水の2種の薬剤に対する全身での動態に基づいたモデルを記述し、モデル入力関数を構築した。またこのモデル入力関数からこれらの薬剤に対する脳組織動態モデルに基づき組織モデル関数を計算した。 先ず、計算したモデル入力関数を、水および酸素を短時間投与した検査で得た血中放射能濃度曲線を直接フィッテングし、モデル関数を構成するパラメーターに対する初期値と制限値を得た。この初期値と制限値にもとづき、健常者および患者による迅速脳血流・酸素代謝検査で得られたPETダイナミック画像データから複数の脳組織曲線を抽出し、得られた組織モデル関数を用いてこれらの複数の脳組織曲線を同時にフィッティングし入力関数を推定した。推定した入力関数により、脳血流と酸素代謝量を計算し、13%の推定が可能であることが示唆された。 これらに加え、本方法の有効性、限界を明らかにするためシミュレーションにより再現性を検討する計算を行った。PETにより得られる組織曲線上のノイズの影響は、10パーセント程度であることが分かった。また本計算で水の分配定数(血液と水に含まれる水の割合)を0.8ml/gと仮定している影響は、この値10パーセントの変動に対して10パーセントの影響であることが分かった。 以上から本方法は臨床検査に適用し検査を非侵襲化することが可能であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)