2009 Fiscal Year Annual Research Report
マルチモダリティ対応型分子イメージングプローブの開発
Project/Area Number |
21890179
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐野 紘平 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (00546476)
|
Keywords | 放射線 / 分子認識 / 薬学 |
Research Abstract |
現在の分子イメージング技術において、各イメージングモダリティで利用できるプローブの選択肢の制限が、その発展の大きな妨げとなっている。そこで、本研究課題では、核医学イメージング、磁気共鳴画像や光イメージングに応用可能な汎用性の高いマルチモダリティ対応型分子イメージングプローブを創製し、病態の形態診断および機能診断の両立を可能とする高精度な診断法を確立する。本年度は、γ-ポリグルタミン酸(γ-PGA)被膜を有する粒子が、低毒性かつ高い細胞膜透過性を持つという知見を基に、イメージングプローブのキャリアとしての応用を考え、新規ナノ粒子型プローブを設計した。すなわち、粒子の中心には種々の化学的修飾が容易な第4世代のPAMAMデンドリマーを選択して、二官能性キレート剤であるp-SCN-Bz-DTPAを53分子導入し、これをシグナル中心骨格とした。次に、これにポリカチオンであるポリエチレンイミンを反応させ、カチオン性粒子を合成した。粒子サイズおよびζ電位を測定した結果、32nm、+41mVであった。続いて、ポリアニオンであるγ-PGAを反応させ、粒子サイズ48nm、ζ電位-31mVと、実質負電荷を有する新規ナノ粒子の構築に成功した。現在、放射性金属であるインジウム-111や、常磁性金属であるガドリニウムをDTPAに配位させた化合物や、蛍光色素であるRhodamineをPAMAMに導入した化合物の合成にも成功しており、生体分子標的素子の導入も含めたマルチモダリティへの応用について次年度より検討を進める予定である。
|