2009 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌の染色体不安定性と紡錘体形成チェックポイント蛋白発現の関連
Project/Area Number |
21890181
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
美馬 浩介 Kyushu University, 大学病院, 医員 (00546559)
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Keywords | 癌 / 細胞周期 / 遺伝子 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
【研究の目的】紡錘体形成チェックポイント関連分子の一つであるBubR1の高発現が染色体不安定性、胃癌の悪性度に関連する結果が示唆されたことから、BubR1高発現が実際に染色体不安定性を引き起こすのか、またそれにより癌細胞の悪性度が変化するかを明らかにすると共に、MAD2やcdc20などの他の紡錘体形成チェックポイント関連分子についても同様の検討を行うことで、これらの分子の発現と染色体不安定性や胃癌の悪性度との関連を明らかにする。さらに、各分子の相互関係について細胞株や臨床検体を用いて検索し、機序を明らかにすることで、胃癌の悪性度診断に有用なマーカーの抽出と新たな治療標的の同定を試みる。 検討1:Realtime PCR法を用いた紡錘形チェックポイント関連子の遺伝子発量の定量 1. とれまでの研究でDNA ploidyが判明している胃癌細胞株におけるCdc20遺伝子の発現をRealtime PCR法で定量し,各胃癌細胞株のploidy patternと比較検討した。 【方法】これまでの研究でDNA ploidyが判明している胃癌細胞株(aneuploidy : KATOIII, MKN-74, MKN-28, NUGC-4, euploidy : NCI-N87)におけるCdc20遺伝子の発現をRealtime PCR法で定量した。 【結果】Aneuploidyである胃癌細胞株でCdc20とともに紡錘体形成チェックポイント関連分子であるBubR1が高発現していたが,今回の検討ではCdc20の発現に明らかな差は認めなかった。 2. DNA ploidyが判明している胃癌臨床検体6例を用いてCdc20の発現をRealtime PCRで定量し,ploidy patternと検討した。また癌部と非癌部においてCdc20の発現量を比較した。 【結果】胃癌臨床検体6例においてDiploidyとAneuploidyでCdc20の発現に明らかな差は認めなかった。またDiploidyでは2症例とも癌部のCdc20発現量が多いが,Aneuploidyにおいては癌部と非癌部でCdc20発現量に一定の傾向は認められなかった。
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