2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規癌細胞特異的人工ウイルスの効率的細胞内導入法の開発
Project/Area Number |
21890182
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
真鍋 達也 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 助教 (60546464)
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Keywords | 癌 / ウイルス / トランスレーショナルリサーチ |
Research Abstract |
本研究は、アデノウイルスの細胞内侵入機序を明らかにすることでアデノウイルス侵入機構を模倣した薬剤内包型新規機能化人工ウイルスを作成し、導入効率制御を有する新たなDDSを確立することである。本年度我々は、以下の2点について明らかにした。1.膵癌におけるアデノウイルスエンドサイトーシス経路の解明:アデノウイルスの細胞内侵入に関わる分子として報告されているCoxackie virus and adenovirus receptor(CAR)、integrin αv, integrin β3, integrin β5, dynamin 2の膵癌における発現状況を調べた。すると、integrin β3がintegrin β5と比較し著しく高発現した膵癌ではアデノウイルス導入遺伝子の発現が低下していることがわかった。また、integrin β3をsiRNAを用いて抑制すると、アデノウイルスの細胞内導入効率が増強することがわかり、integrin β3が、さまざまな薬剤のendocytosisのkey分子であることが考えられた。2.薬剤内包化人工ウイルスの作成:我々が用いる人工ウイルスは古細菌が作るsmall heat shock protein(Mj285)で、24量体を形成し外径12nmで10nmの内孔を有する人工ナノウイルス粒子である。本年度、現在膵癌の第一選択薬であるゲムシタビンを用いて、人工ウイルスへの薬剤内包試験を行った。結果、55度30分100倍モルのGEMと混合することで10倍モルのGEMの内包化に成功した。次年度は、intgrinβ3のsiRNAをGEM内包化至適条件に合わせて内包化し導入効率制御能を有する人工ウイルスを完成させ、コントロール人工ウイルスとの細胞内導入比較試験を行い機能評価する。また、作成した人工ウイルスにGEMを内包化し、in vivoにおける検証を行う。
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