2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21890187
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹下 徹 九州大学, 歯学研究院, 助教 (50546471)
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Keywords | 口腔フローラ / T-RFLP / 16S rRNA遺伝子 / 歯周炎 / SRP / FMD |
Research Abstract |
当該年度においては、歯周治療が口腔フローラにもたらす長期的な変化について検討するために初診から約二年が経過し、本研究期間内に歯周治療終了後メンテナンス期に移行した患者32名について唾液検体を採取した。検体からDNAを抽出したのちPCR法を用いて16S rRNA遺伝子の増幅を行い、Terminal restriction fragment length polymorphism (T-RFLP)解析を行うことで細菌構成をピークパターンとして表し、初診時の唾液のT-RFLPパターンと比較した。治療を含めた二年間でのT-RFLPパターンの変化は27.8±7.0%とベースラインでのT-RFLPの個人差44.9±11.0%に比べて有意に小さく、歯周治療は口腔の細菌構成の全体像を大きく変えるものではないことが明らかとなった。 加えて本年度は抗菌薬を投与しながら短期間で口腔清掃、歯石除去を終了するFull Mouth Disinfection(FMD)を行った場合の口腔フローラの変化についての検討を行った。FMDを行った3名の患者の唾液中の細菌構成の変化は通常の歯周治療における変化と同程度であり、劇的な変動は認められなかった。定量PCR法を用いて測定した歯周病原性細菌Porphyromonas gingivalisの量には3名ともに明らかな減少が認められることから、FMDが歯周病局所での病原性細菌量の減少に効果を認める一方で、常在フローラの全体像に大きな影響を及ぼすものではない可能性が示唆された。
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