2010 Fiscal Year Annual Research Report
イノシトールリン脂質情報伝達系を介したアディポネクチンの歯周疾患制御機構の解明
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21890188
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
神尾 宜昌 日本大学, 歯学部, ポスト・ドクトラル・フェロー (60546472)
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Keywords | アディポネクチン / ジアシルグリセロールキナーゼ |
Research Abstract |
脂肪細胞から分泌される生理活性物質(アディポカイン)の1種であるアディホネクチンの細胞生物学的分子機構を明らかにするために、精製したリコンビナントマウス球状型アディポネクチンを用いて実験を行った。本研究ではイノシトールリン脂質分解産物であるジアシルグリセロールをリン酸化してボスファチジン酸を産生させるジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)に注目し、DGKを介するシグナル伝達とアディポネクチン刺激との関係を解析した。マクロファージにおいて、アディポネクチン刺激によりIL-6を分泌誘導することが報告されている。そこで本年度は特にアディポネクチン刺激によって分泌されるIL-6とDGKとの関係を調べた。その結果、マウスマクロファージ様細胞株(RAW264細胞)において、DGK阻害剤(R59022)前処理によりアディポネクチン刺激によるIL-6mRNAの発現およびタンパク質の分泌が抑制された。つぎにR59022前処理による、アディポネクチン刺激によるシグナル伝達について検討した。その結果、R59022前処理によってアディポネクチン刺激によるC/EBPβおよびAktのリン酸化が抑制された。つぎにRAW264細胞において発現を確認しているDGKアイソフォーム各種(DGKα,δ,γ,ζ)をRNA干渉によりそれぞれノックダウンし、その後アディポネクチン刺激を行った。その結果DGKαをノックダウンした場合でのみアディポネクチン誘導によるIL-6mRNAの発現が抑制されていた。さらにDGKαをノックダウンしアディポネクチン刺激によるIL-6タンパク質の分泌を調べたところ一部抑制されていた。以上の結果から、アディポネクチソ誘導IL-6の産生はDGKαを介して誘導されていることが示唆された。
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Research Products
(3 results)