2009 Fiscal Year Annual Research Report
心筋細胞における抗アポトーシス効果:グルタレドキシンによる酸化還元制御の解析
Project/Area Number |
21890193
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
稲冨 千亜紀 Nagasaki University, 病院, 助教 (20508444)
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Keywords | 酸化ストレス / 心筋保護 / 循環器・高血圧 |
Research Abstract |
Glyceraldehyde-3-phosphate-dehydrogenase(GAPDH)の酵素活性と酸化還元状態との関連についての解析 以前よりGAPDHの核移行がアポトーシス促進と関与することが知られている。また、GAPDHがnitricoxide(NO)によるS-nitrosylationによって核移行しアポトーシスを起こすことが知られている。 我々はラット心筋芽細胞H9c2コントロール細胞(H9c2-control)とH9c2のglutaredoxin(GRX)過剰発現細胞(H9c2-GRX)を一酸化窒素(NO)-donorであるS-nitroso-N-acetyl-DL-penicilamine(SNAP)で刺激後にMTT assay等で細胞の生存率を比較し、GRX過剰発現がNOによる細胞死からH9c2細胞を保護していることを示唆するデータを得ている。 (1)、 GAPDHの核移行抑制によるGRXの抗アポトーシス効果 H9c2-controlとH9c2-GRXにそれぞれ200μMのSNAPで刺激を与え、免疫蛍光抗体法を用いてGAPDHの細胞内局在を比較した。H9c2-controlではNOによる刺激でGAPDHが細胞質から核に移行するのに対し、H9c2-GRXではNOによる刺激でもGAPDHの分布に大きな変動がない傾向が認められた。 以上のことから、GRXの過剰発現がNO-donorの刺激によるGAPDHの核移行を抑制することで、アポトーシスの抑制に影響を与えている可能性が示唆された。
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