2010 Fiscal Year Annual Research Report
P.gingivalisから新たに同定されたリガンドGslAの機能的解析
Project/Area Number |
21890195
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
春山 晃毅 長崎大学, 大学病院, 医員 (40549466)
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Keywords | P.gingivalis / gingipain / 自然免疫 / 刺激伝達経路 / GslA |
Research Abstract |
歯周病原細菌Porphyromonas gingivalisについて我々はこれまでに、P.gingivalisが保有し、TLR2およびTLR4非依存性にCHO細胞の転写因子NF-kBを活性化する新奇蛋白性因子を精製・同定した。この分子はP.gingivalis産生する蛋白分解酵素gingipainによって分解される為、Gingipain-senseitive ligand A (GslA)と命名した。GslAの部分リコンビナント蛋白で免疫したウサギ抗血清はCHO細胞NF-kB活性化を抑制し、gslA遺伝子は菌株の種類によって存在する物としないものとに分かれることを明らかにした。平成22年度は、GslAがどのような刺激伝達経路でCHO細胞のNF-kBを活性化しているのかを調べる為、NF-kB上流の刺激伝達分子の阻害剤でCHO細胞を前処理した後に、凍結乾燥菌体での刺激を行った。その結果、細胞内取り込み阻害剤であるサイトカラシンDやノコダゾールで前処理した場合にCHO細胞NF-kB活性化が抑制された。このことから、GslAはCHO細胞内に取り込まれることで、その作用を発現する可能性が示唆された。また前年度に引き続き、GslA全長リコンビナント蛋白の作製に取り組んだが、全長リコンビナント蛋白の作製には至らなかった。なお、昨年度までの本研究成果に基づく学術論文"Identification of a gingipain-sensitive surface ligand of Porphyuromonas gingivalis that induces Toll-lide receptor 2-and 4-independept NF-kappaB activation in CHO cells"により、2009年度日本歯周病学会奨励賞を受賞した。
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