2009 Fiscal Year Annual Research Report
HIVの新規感染阻止エピトープの探索と感染阻止抗体の開発
Project/Area Number |
21890196
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
戸田 哲平 Kumamoto University, エイズ学研究センター, COEリサーチアソシエイト (60551273)
|
Keywords | 感染症 / ウイルス / 免疫学 |
Research Abstract |
HIV-1envエピトープの探索と中和抗体の開発に関しては、広範囲にHIV-1ウイルスサブタイプの感染阻止に有効な抗原エピトープを認識する特異抗体を樹立するために、ウィルスがCD4陽性細胞に膜融合で感染する際のHIV-1 envelope (env)とCD4の融合複合体を免疫抗原とすることとした。env発現293FT細胞とCD4発現293細胞(29B-CD4)の共培養で生じる細胞膜融合をsplit- GFPにより可視化し、膜融合中間体が生成する至適条件を決定した。現在、高親和性抗体を産生することが可能なGANP Tgマウスに膜融合中間体を免疫しており、今後追加免疫を数回行った後に抗体クローンの樹立を行う予定である。宿主CD4に対するHIV-1感染阻止抗体の開発においては、293-CD4細胞上のCD4細胞外領域を認識する抗CD4抗体を9クローン樹立した。その内、R275抗体はin vitroのHIV-1感染実験において顕著に感染を阻害する活性を有していた。R275抗体はenv発現細胞とCD4発現細胞の共培養による細胞膜融合を抑制した。大腸菌システムで作製した三次元構造が保持されていないリコンビナントCD4タンパクに殆ど反応しないことから、R275抗体の認識するエピトープは従来の報告のそれとは異なる新たな立体構造部位である事が示唆された。感染阻止作用の詳細を明らかにする為に現在R275が認識する抗原エピトープの決定を行っている。
|