2009 Fiscal Year Annual Research Report
ips細胞由来樹状細胞を用いた新規癌免疫療法の開発
Project/Area Number |
21890199
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
福島 聡 Kumamoto University, 医学部附属病院, 助教 (50398210)
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Keywords | iPS細胞 / 樹状細胞 / がん抗原 / IL-15 / メラノーマ / 腫瘍免疫 |
Research Abstract |
研究の目的は、いまだ有効な治療法のない進行期悪性黒色腫(メラノーマ)に対する新規細胞ワクチンを開発するために、遺伝子改変iPs細胞由来樹状細胞(iPS-DC)を用いた抗原特異的免疫療法の臨床前研究をマウスモデルにて行うことである。RIKEN BRCのCELL BANKから、マウスiPS細胞を現在入手可能な4種類をすべて購入し、OP9フィーダー細胞、GM-CSFを用いて、樹状細胞への分化誘導を試みた。最終的な収量に差はあるものの、いずれの細胞においても、樹状細胞に分化誘導することが形態学的またはFACSによる細胞表面マーカーにて確認できた。我々の確立した方法により、ES細胞のみならず、複数のiPS細胞からも樹状細胞の誘導が可能であることが示されたことは、将来のヒトへの応用を考えたとき、きわめて重要な知見である。また抗腫瘍効果を高めるための遺伝子改変として、IL-15をiPS-DCに産生させることを考えた。本年度はIL-15遺伝子発現ベクターの作成を行った。その際、よりIL-15の産生能を高くさせために、IL-15の分泌に重要なシグナルペプチドをヒトIL-2のものに入れ替えたキメラ遺伝子を作成した。これを発現ベクターに組み込み、COS7細胞にlipofectionで導入したところ、IL-15の産生をELISAにて確認できた。今後は、iPS細胞への導入を行っていく。 一方、メラノーマの免疫療法において、理想的な癌抗原を同定するために、cDNAマイクロアレイ解析から見出された新規癌抗原について、ヒトメラノーマ組織での発現を確認し、さらに患者の末梢血から抗原特異的細胞傷害性T細胞(CTL)がin vitroで誘導できるかを検討するのが、本研究のもう一つの目的である。本年度は、RAB6KIFLに着目し、ヒトメラノーマ組織での発現確認を免疫染色およびRT-PCRにて行った。
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