2010 Fiscal Year Annual Research Report
iPS細胞由来樹状細胞を用いた新規癌免疫療法の開発
Project/Area Number |
21890199
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
福島 聡 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (50398210)
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Keywords | iPS細胞 / 多能性幹細胞 / 樹状細胞 / 免疫療法 / がん抗原 / IL-15 / 悪性黒色腫 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
多能性幹細胞由来樹状細胞を用いた免疫療法を確立するための基礎実験として、マウスiPS細胞について実験を行った。RIKENのCELL BANKから提供をうけたiPS細胞株、APS0001、APS0002、APS0003、APS0004について、樹状細胞への分化誘導を確認した。具体的にはマウス胎児線維芽細胞上でLIF存在下にメンテナンスし、適切な大きさのコロニーを形成した時点で、フィーダー細胞であるOP9細胞上にパッセージ、GM-CSFを加えて、骨髄系前駆細胞に分化。最終的に浮遊してきた細胞にGM-CSFのみでの培養期間を加えて樹状細胞に誘導した。これらのiPS細胞に遺伝子導入すべく作成したIL-15発現ベクターのシークエンスも終了し、今後は遺伝子導入を行い、導入細胞をクローニングし、マウスでの腫瘍実験へとすすめていく方針である。一方、従来のがん抗原よりもさらに強力に免疫反応を誘導することができる理想的な抗原探索のために、本年度はKIF20Aにターゲットを絞り、悪性黒色腫患者検体で発現チェックを行った。結果として、KIF20Aが悪性黒色腫の原発巣のみならず、転移巣にも高発現していることをRT-PCR、免疫プロット法を用いて証明した。またKIF20Aの発現と予後とが相関することを見出した。また悪性黒色腫については、早期発見に有用な腫瘍マーカーがないことが問題となっている。今回我々は、血清中のmicroRNA-221が悪性黒色腫患者の血清中で、健常人に比べて有意に上昇していることを見出した。
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