2009 Fiscal Year Annual Research Report
iPS細胞を用いた喉頭及び気管軟骨の分化誘導に関する研究
Project/Area Number |
21890207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
今泉 光雅 Fukushima Medical University, 医学部, 病院助手 (30554422)
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Keywords | iPS細胞 / 軟骨分化誘導 / 気道再建 |
Research Abstract |
臨床において癌や外傷、炎症、先天性奇形などにより喉頭や気管といった気道の一部を切除せざるを得ない場合があり、代替となる気道再建材料の開発は急務である。本研究では、気道の軟骨再生に最適な足場材料の開発、マウス線維芽細胞由来iPS細胞の軟骨細胞への分化誘導技術の開発、およびこの両者を組み合わせて得られた軟骨組織に関して動物への移植実験等により気道の骨格としての有効性、長期安定性などについての検証を行い、気道の内腔保持を担う骨格として利用可能な軟骨組織の作製手法を確立することを目的としている。 今年度の実績、成果 (1) iPS細胞の培養:京都大学より使用承諾を受け理化学研究所バイオリソースセンターより購入したマウス線維芽細胞由来iPS細胞(iPS-MEF-Ng-20D-17)をフィーダー細胞上で培養し、十分量のストックを確保することに成功した。 (2) 足場材料の開発:アテロコラーゲンに凍結乾燥を施し、コラーゲンスポンジを作製した。 (3) iPS細胞の軟骨への分化誘導技術の開発:培養過程で使用していたフィーダー細胞を分離し、マウスiPS細胞を純化し、iPS細胞をコラーゲンゲルに包埋し、さらに足場となるコラーゲンスポンジ浸透させることにより、足場内での培養に成功した。軟骨分化誘導培地の使用、コラーゲンゲルへのBMP-2や、TGF-β3などの増殖因子添加などによりiPS細胞の軟骨分化を誘導し、軟骨形成を図った結果、軟骨様組織が得られた。得られた軟骨組織片の組織像、蛋白質や遺伝子の発現に関して評価を行い、発現が確認された。
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Research Products
(2 results)