2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21890213
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中村 昭伸 Yokohama City University, 附属病院, 助教 (70552420)
|
Keywords | グルコキナーゼ |
Research Abstract |
グルコキナーゼ活性化薬(GKA)による糖尿病治療の可能性に注目が集まっている中、GKAの膵β細胞増殖作用とそのメカニズム、特にIRS-2との関連にっいて検討した。野生型マウスの単離膵島において、GKA投与によりCREBのリン酸化ヽIRS-2発現、さらにはPDK1、 PDX-1、 Cyclin D familyの有意な発現上昇を認めた。次に高脂肪食負荷IRS-2欠損マウスで検討したところ、GKA投与開始後すぐに随時血糖の有意な低下を認め、負荷後20週の段階でも随時血糖の有意な低下が持続した。OGTTにおいてもGKA特別食群で耐糖能が改善しており、その際のインスリン血糖比もGKA特別食群で有意に高値であった。IRS-2欠損マウス膵島では、野生型マウスと同様、GKA投与により有意にグルコース応答性インスリン分泌能が増強した。一方、高脂肪食20週負荷IRS-2欠損マウスの膵β細胞量はGKA投与により増加せず、また高脂肪食負荷後のGKA短期投与でも、野生型マウスと異なり、膵β細胞の増殖能亢進は認められなかった。GKAはCREBのリン酸化を介してIRS-2の発現を上昇させ、細胞周期制御因子に作用して膵β細胞を増殖させることが示唆された。2型糖尿病患者において膵β細胞量が低下していると報告されていることから、GKAは膵β細胞量増加薬として新たな治療戦略の1つと考えられる。
|