2010 Fiscal Year Annual Research Report
クローン病患者への食事栄養指導プログラムの開発と有効性の検証
Project/Area Number |
21890218
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
吹田 麻耶 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (70514735)
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Keywords | クローン病 / 食事栄養指導 / 看護支援プログラム / セルフモニタリング / フィードバック / 介入研究 / 行動分析学的アプローチ |
Research Abstract |
本研究は、緩解期にある成人クローン病患者を対象に、患者が自分にとっての再燃誘引食品を見出すための試し体験行動を強化する食事栄養指導プログラムを開発し、プログラムの寛解維持と食事満足度向上に対する有効性を検証することを目的とした。 昨年度開発したプログラムは、行動理論の強化の原理に基づくものである。強化のための手法として、食事日記による患者のセルフモニタリングとセルフフィードバック、さらにそれに対する医療者のフィードバックを用いた。今年度は、本プログラムの有効性を検証するために、ABAデザインとランダム化比較デザインのもと介入研究を実施した。独立変数は本プログラムの適用の有無とし、従属変数は試し体験行動の頻度、身体状況・検査データ・食事満足度に関するアウトカム指標とした。参加同意が得られた患者21名を無作為に介入群10名と対照群11名に振り分けた。介入群、対照群ともにベースライン、介入、フォローアップ、各期8週間を設定し、従属変数としたデータは4週間毎に郵送法による質問票を用いた調査を行い、収集した。介入群には、介入期に本プログラムを8週間実施した。 結果、両群いずれも調査開始から終了までの期間に再燃を起こし、参加を中止した者はいなかった。介入群のプログラム完了率は100%であった。介入群において介入期間中、試し体験行動の増加が有意にみられた。身体状況・検査データ・食事満足度に関するアウトカム指標はいずれも両群間で有意な変化はみられなかった。この結果から、本プログラムは患者の食行動の変化を起こす上で有効であったといえる。しかし、介入終了後には、試し体験行動の頻度は介入前のベースライン値に戻っていた。今後、開発したプログラムに行動変容を起こすだけでなく、それを維持・定着させるための仕組みを組み込む必要性が示唆された。
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Research Products
(1 results)