2010 Fiscal Year Annual Research Report
インターフェロン療法が終了したC型慢性肝炎患者が抱く不確かさ
Project/Area Number |
21890227
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
長谷川 智子 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (40508800)
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Keywords | 看護学 / C型慢性肝炎 / IFN療法後 / 外来看護 |
Research Abstract |
本研究の目的は,これまで注目されることの少なかったIFN療法が終了したC型慢性肝炎患者の抱える不確かさを明らかにすることである.今年度はインタビュー調査を実施した. 1. IFN療法後患者への調査・分析 1) 目的:IFN療法後患者へインタビューを行い,どのような思いでいるのか明らかにする. 2) 対象:外来通院中の壮年期のウイルス排除目的のIFN療法を終えた患者4名.男性・女性各2名. 3) 方法:半構造化面接を実施した.面接時間は30分~50分で内容は逐語録に起こした. 4) 結果:治療中の経験:[活動に伴う貧血症状のつらさ][情緒的不安定さ][外観の変化への気がかり][治療の継続のために求められる努力][効果が不確かな治療を継続するやるせなさ]を経験していた。3)治療後の治療に対する思い:治療効果が認められた患者では[新しい人生の獲得][再燃への不安]を、認められなかった患者では[低空飛行で生きる人生][治療を耐えたにも関わらず効果のない落胆]を語っていた。 5) 考察:IFN治療は、副作用を抱えながら少なくとも半年以上継続する必要があり、治療によってウイルス排除できる確率は60%程度である。治療中の患者の経験は、この治療の特徴を反映すると考えられる。今回の対象は特に壮年期であり、仕事や家庭内での役割をとりながら治療を継続するために、心身の負担は大きいと推測される。さらに、治療効果の有無は治療後の思いを左右していた。心身の負担が大きな治療を行っても、効果が認められない場合もあり、治療から治療後に至る患者を支える看護の必要性が示唆された。 6) 今後の課題:上記分析結果は,日本慢性看護学会学術集会にて発表予定である.今年度のインタビュー調査を通し,C型慢性肝炎患者が抱える思いについて一部は明らかに出来た.今後はこの調査を土台にインタビューガイドを見直し,再実施する必要がある.
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Research Products
(1 results)