2010 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現型腫瘍融解性ウイルスを用いた胃癌オーダーメイド治療の開発
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21890231
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
辻 俊明 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (20549737)
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Keywords | 癌 / 腫瘍融解性ウイルス / 発現制御 |
Research Abstract |
手術標本からのサンプル採取を行い,腫瘍組織からの遺伝子プロファイルを解析・腫瘍細胞株の樹立を試みたが,術前化学療法施行のため腫瘍組織の線維組織への置換が強く,また腫瘍組織中の腫瘍細胞のviabilityが低かったため腫瘍細胞のみの単離培養が困難で,4型胃癌切除標本中の腫瘍細胞の腫瘍細胞株の樹立は行えなかった.切除標本からのmicrodissectionによる腫瘍細胞の遺伝子発現プロファイル解析結果は解析可能な切除症例数が少なく,遺伝子発現プロファイル解析では明らかな発現の上昇および低下の傾向は認められなかった。そのため免疫染色にて4型胃癌の発現分子を検討した。 4型胃癌では免疫染色でTGF-betaの発現低下を認め、TSP-1の発現も低下が認められたためTGF-betaを強制発現遺伝子候補としてTGF-beta発現型腫瘍融解性ヘルペスウイルスを新規に作成した。新規に作成したTGF-beta発現型腫瘍融解性ヘルペスウイルスおよびTSP-1発現型腫瘍融解性ヘルペスウイルスにより既存の4型胃癌細胞株での治療実験を行い、MOI=0.01では抗腫瘍作用の上乗せ効果を有意に認めたがMOI=0.1では有意差は認めなかった。ウイルスの増殖能については発現遺伝子の導入によりウイルス複製能の変化は認めなかった現在他の遺伝子についても4型胃癌細胞での発現分子の免疫染色による検討を行い、遺伝子発現・抑制型腫瘍融解性ヘルペスウイルスを作成して4型胃癌治療に対するウイルスライブラリーを作成中である。
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Research Products
(6 results)