2010 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠中から産後の母親と乳児の睡眠覚醒リズムに影響を及ぼす要因に関する研究
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21890236
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
乾 つぶら 大分県立看護科学大学, 看護学部, 講師 (00512667)
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Keywords | 母親 / 睡眠覚醒リズム / 産後1ヶ月・4ヶ月 / Actiwatch / SleepLog |
Research Abstract |
本調査は2011年1月まで実施し、2011年5月現在も回収中である。 Sleep logはIAC社の睡眠覚醒リズム解析ソフトを使用し、睡眠指標(総睡眠時間・回数、昼睡眠時間・回数、夜睡眠時間、夜睡眠割合、最長睡眠時間、中途覚醒時間・回数)を解析した。夜睡眠の入眠時刻、覚醒時刻に関しては、視察法で直接収集し算出した。Actiwatchはエポック数1分毎に設定しITC社のActiware ver5.0を用いてデータのダウンロードを行い、睡眠指標(総睡眠時間、昼睡眠時間、夜睡眠時間、睡眠効率、中途覚醒時間、就床時刻、起床時刻、入眠時刻、覚醒時刻)を算出した。SleepLogは記入に不備あるものと記録日数が4日未満を除外した産後1ヵ月108名、産後4ヵ月78名を、Actiwatchは誤作動によるデータ不完全なもの、測定日数が3日未満を除外した産後1ヵ月19名、産後4ヵ月9名を解析対象とした。初産婦54名(50.0%)、経産婦54名(50.0%)であった。 産後の母親は、夜間の授乳や児の世話によって中途覚醒時間の延長や回数の増加が起こって夜睡眠効率が低下し、それを昼睡眠時間で補っていた。就床時刻・入眠時刻が早い母親は起床時刻・覚醒時刻も早く、就床時刻が早い母親は入眠時刻も早い。即ち、早寝の者は早起きであり、早くベッドに入る母親は入眠も早いことが明らかになった。 入眠困難は妊娠後期に最も多く、その理由は妊娠に伴う身体的な変化によるものが多く、中途覚醒は産後1ヶ月に最も多く、その理由は育児によるものが多かった。産後1ヶ月の入眠困難・中途覚醒理由には「赤ちゃんが気になる」という内容が多く見られた。母親と家族の就床形態は、妊娠後期から産後1ヶ月で変化し、児が加わった新しい就床形態になっていたが、どのような就床形態でも母親は児に合わせて睡眠をとっていた。早寝の母親は、早起きで夜睡眠時間は長く、父親が早寝の母親は、早寝であった。 また、経産婦は初産婦に比べて早寝・早起きであり、「上の子の世話」のために入眠困難・中途覚醒が生じていた。初産婦は、育児に不慣れなため経産婦よりも中途覚醒時間が長くなり「児が気になる」と言う理由で寝入りにくい。
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