2009 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患患者の働く意欲の影響要因に着眼した職業人生再構築に関する研究
Project/Area Number |
21890253
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
伊藤 美千代 Juntendo University, 医療看護学部, 助教 (50550836)
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Keywords | 炎症性腸疾患(IBD) / 就労支援 / キャリア発達 / 人生再構築 / 当事者参加型リサーチ |
Research Abstract |
平成21年度研究活動内容/成果 1. 本研究の調査協力の依頼とその了承を得る →本研究は当事者参加型リサーチ法(Green, L W et al, 1995 ; Betsy, PT, 1997)に基づき進めるため、当事者組織(患者会)の全国ネットワーク組織「IBDネットワーク」の総会にて、研究の目的、、意義、方法などを説明し、その了承を得、協力を取り付けた。 2. IBD就労研究ワーキンググループの立ち上げとメーリングリストの作成 →当事者参加型リサーチ法に基づき、研究者と当事者からなる「IBD就労研究ワーキンググループ」を発足させた。また、研究に賛同し協力の意志をもつが移動障害のある患者や遠方在住のため実質的なグループ活動はできない患者の意見を収集するため、メーリングリストを作成し意見交換の場を旨設けた。これは各患者会の抱える最重要課題となっている就業支援に関しての情報収集ツールが構築されたことにもあり、患者会のエンパワメント向上に寄与したと考える。 3. 調査方法の検討 →5年前に本研究代表者が実施した調査(約4000人対象)から、本研究は4,000人以上の調査対象者を見込んでいたが、インターネットの普及や患者のプログ等で患者会機能が代用されたこともあり、現時点での患者会加入患者数は3,000人弱であること。また、2年前の他の研究機関による全国調査の回収率が30%未満であったこと。さらに、患者会加入者は比較的重度の症状や障害を有する患者が多く、自己の努力で困難に対処し就労を継続している患者からのデータ収集に不足があることから、本研究の主題であるキャリアの再構築を明らかにするために必要とされる対象者のサンプリングと回収率向上に向けての検討が2回の会議とメーリングリスト上でなされた。結果、IBDネットワーク経由の質問紙調査の対象者を2,000人とし、回収率向上のために患者会HPや集会などで調査協力への呼びかけ活動を実施すること。さらに、比較的症状や障害の軽度な患者への調査は、キャリアの再構築に関する変数に絞ってインターネット調査によって広く実施する方向で検討を重ねることとなった。
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