2010 Fiscal Year Annual Research Report
上皮陥入によるヒト再生歯三次元モデルの構築および再生促進漢方薬剤の開発
Project/Area Number |
21890267
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
肖 黎 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教
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Keywords | 再生歯モデル / 上皮陥入 / 上皮間葉相互作用 |
Research Abstract |
上皮陥入は歯や肺、毛嚢等の器官の発生初期における重要な特徴である。本研究では歯発生初期に起こる上皮陥入の誘導による再生歯モデルをIn vitroで構築し、歯再生過程における分子メカニズムを解明することを主要な目的とする。平成22年度の研究では、ヒト口腔上皮細胞OECs及び歯髄由来間葉系幹細胞DPSCsを三次元培養し、初期歯の上皮陥入モデルの構築に成功した。このモデルでは、歯のinitiation stageの特徴である、上皮組織が間葉組織への陥入及び陥入部位の周囲に間葉細胞の凝縮が観察された。免疫染色及びRealtime RT-PCR方法で調べたところ、歯のinitiation stageにおける分子マーカーのBMP4やBMP2、CD44、E-cadherin (CDH1)、N-cadherin (CDH2)、integrin beta 1 (ITGB1)はOECs-DPSCs三次元培養物に発現することに対して、歯のlate stageにおける分子DSPとDMP1は発現していないことが分かった。このモデルが初期歯の上皮陥入を再現することが示唆された。それに対して、ヒト不死化口腔上皮細胞NDUSD-1とDPSCsを用いた三次元培養物では、上皮組織の陥入及び歯の発生初期における分子マーカーが観察されなかった。上皮幹細胞マーカーであるp75は歯の再生及び象牙質の修復に重要な役割を担う。p75抗体を用いて免疫染色を行った結果、OECs-DPSCsで構築した三次元モデルではp75の発現が培養早期で観察された。NDUSD-1-DPSCs三次元培養物ではp75の発現が観察されなかったことから、p75が再構築した初期歯モデルの上皮陥入に関与する可能性が示唆された。本研究で開発されたOECs-DPSCs初期歯モデルは歯再生における分子マーカーの変化、分子制御の解明及び再生促進の薬物のスクリーニング等に幅広く応用することが期待される。
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Research Products
(2 results)