2010 Fiscal Year Annual Research Report
職場のコミュニケーションに着目したワークライフバランス支援策の開発に関する研究
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21890270
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Research Institution | The Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
澤井 美奈子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (90520776)
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Keywords | 産業保健 / ワーク・ライフ・バランス / コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究では、ワーク・ライフ・バランスの推進を支援するための方策を産業看護の立場から提示し全ての労働者のワーク・ライフ・バランスの実現にむけた示唆を得ることを目標とした。 初年度はこどもを産んでいない女性労働者、仕事と育児を両立する女性労働者、事業場の管理職等へのインタビュー調査を実施し、仕事と育児の両立についてそれぞれの立場で最良と考えられる対応をとっているが多くの場合相手の思いを確認しておらず双方のずれがあることがわかり、円滑なコミュニケーションを進める支援の必要性が見出された。 22年度はこの結果を参考に作成した自記式質問紙を用いて事業場で働く労働者を対象に、育児や介護を両立することの仕事や職場への影響、および自分自身のワーク・ライフ・バランス等に関する調査を実施した。結果、両立経験者のうち両立していない時と両立中の仕事の量が同じと答えた人が8割以上だったのに対し、両立者と働いた経験のある人のうち両立者が両立中に特に職場に変化がなかったと答えた人は6割程度と違いの存在が浮かび上がった。全体として、仕事に関する内容を超えた相互理解のためのコミュニケーションを充実させる必要性が明らかとなり、介入として結果をフィードバックしている。また、ワークシェアリングや時間短縮勤務等制度は認知度が高くその充実を求める労働者が多い一方で、制度の導入に伴う給与や昇進など待遇の変更内容などについては認知度が低く、コミュニケーションに着目した支援と同時に、制度利用にまつわる諸条件等も職場内に周知することは個々の労働者が納得してお互いのワーク・ライフ・バランスを尊重する職場風土づくりに必要であると考えられた。
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