2010 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチ滑膜の病変局所で産生される抗体の解析と「酵素抗原法」への応用
Project/Area Number |
21890277
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
水谷 泰嘉 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (10546229)
|
Keywords | 酵素抗原法 / 抗体産生細胞 / コムギ無細胞タンパク合成 / 関節リウマチ / 自己免疫疾患 / 自己抗原 / Alpha Screen / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
昨年度は、関節リウマチの病変滑膜組織由来の抗体および血清抗体が反応する抗原を、コムギ無細胞系で作製したヒト自己抗原タンパク質を対象に検索した。検出された抗原のうち18種の抗原タンパクについて、酵素抗原法により、病変における抗体産生部位の局在証明を試みた。その結果、2種類のタンパクにおいて、陽性細胞が認められ、コムギ無細胞系により作製した抗原ライブラリと病変組織抽出物を利用して、病変局所で産生される抗体の標的抗原を同定できることを示した。 今年度は、染色された細胞が形質細胞であることを確認するため、形質細胞マーカー(抗CD138抗体)と抗原タンパクによる二重染色を行った。その結果、抗原タンパクで染色される細胞にCD138陽性像が認められ、抗原タンパクで染色された細胞が形質細胞であることを示す補助的な結果が得られた。さらに、昨年度に解析対象とした抗原タンパク18種のうち、酵素抗原法で陽性反応が認められなかった16種について、染色性改善を期待して、精製タンパクを用いて酵素抗原法を実施した。しかし、粗精製タンパクと比較して、染色性の改善は認められなかった。一方、陽性反応が認められた2種のビオチン化抗原タンパク(FBXO2およびTRIM21)の特異性を検討するために、5例の関節リウマチおよび3例の変形性関節症の組織切片を対象として、酵素抗原法を実施した。その結果、TRIM21ではAlpha Screenで高いシグナルを示した患者組織でのみ陽性細胞が認められたが、その他の患者組織では形質細胞への陽性像が認められず、今回の解析では疾患特異性は認められなかった。一方、FBXO2では、Alpha Screenシグナルの低値の各患者組織においても形質細胞様の細胞に陽性像が認められた。組織切片上で特異的反応と非特異的反応の両方を検出している可能性が考えられ、今後の検証が必要である。
|
Research Products
(1 results)