2009 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中失語症患者とのあいだで交感が成立している看護師の特徴
Project/Area Number |
21890288
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Hyogo University |
Principal Investigator |
山下 裕紀 Hyogo University, 健康科学部, 講師 (40326319)
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Keywords | 実践知 / 交感 / 脳卒中 / 失語症 / 看護師 |
Research Abstract |
1.施設への依頼:データ収集を実施する施設の看護管理者に,研究計画書にもとづき研究の趣旨を説明し,データ収集を行う候補とするセクションにおけるデータ収集の実施の承諾を得た. 2.研究者の準備:データ収集を行うセクションにおいて,研究者がその場で平常にいられるようになるためとセクションでいる人々にとって研究者がいることが不自然でないようにするために,そのセクションの看護師に類似の服を着用すること,そしてデータ収集を開始する前に一週間程度の実習を行った. 3.研究参加者の選定:実習期間中に,セクションの長と相談し,研究参加候補者となる患者を選定した.そこで説明を聞く意向が確認できた患者に,研究の趣旨・概要を説明した.特に,研究者がケアに参加することとデータ収集の内容と手順について詳しく,口頭と文書にて説明し同意を得た. 4.参加観察:研究参加者である看護師が,患者のもとへ訪れてから去るまでの場面,ケア提供者と患者のやりとりを観察した. 5.分析:分析は,エピソード記述の方法論(鯨岡,2005)を参考とし,以下のような手順で進めた.脳卒中失語症患者と看護師とのかかわりの場面を,観察内容を踏まえて,研究参加者が捉えた患者や看護師の感情や意図,なかでも他者の主観(心)を間主観的に把握した部分と,研究者自身の感情,場の雰囲気を,記述の中に盛り込み,簡単なエピソードを記述した.記述したエピソードは,インタビューデータや記録物からのデータと突き合わせながら,繰り返し読み,解釈を行った.事態の客観的な流れが描き出され,書き手がその事態をどのように捉えているということがエピソードの中心になっているか見直しながらエピソードを洗練させた.
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