2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21890291
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Research Institution | Kobe Tokiwa University |
Principal Investigator |
畑 吉節未 神戸常盤大学, 保健科学部, 講師 (10530305)
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Keywords | 災害看護 / コンピテンジー / 構造化 / 災害看護実践行動 |
Research Abstract |
災害看護のコンピテンシーの抽出と構造化を図る研究の2年目となる平成22年度は、平成21年度に収集・分類し、構築した災害看護実践経験を持つ看護師の語りをもとに構築した災害看護実践行動データベースをもとに、災害時に看護師が身に着けておくべきコンピテンシーについての具体的な検討を深めた。 看護管理者、病棟・外来看護師、支援看護師が語った災害看護実践行動について因子探索型質的研究手法を用いて分析し、災害という状況下で懸命に働く看護者の多様な姿を具体的で臨場感溢れる行動レベルのものとして、明らかにすることが出来た。看護管理者、病棟・外来看護師、支援看護師がそれぞれに担った役割ごとに見ると、個別性の高い行動、役割を超えて共通する行動をとる姿が見られた。 成果を上げることが困難又は出来なかったことの中からは、コンピテンシーの検討とその具体化を図るための貴重な語りが数多く見受けられた。 行動の個別性と共通性には、災害看護実践行動を生かした教育プログラムの開発や卒後教育と連携した教育プログラムの構築のためのラダー開発に役立つ貴重で高い資料性が認められる行動を得ることができた。 また、看護者の立場だけでなく、ともにチームとして災害時に活動した医師、理学療法士・作業療法士、臨床心理士、薬剤師等の語りと合わせて、災害時に看護者がどのような行動をとったかについての全体像を抽出することができ、災害看護コンピテンシーをより具体的なレベルで描き出すことにつながった。
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