2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21890296
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
守田 真基子 産業医科大学, 医学部, 助教 (60530491)
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Keywords | 大腸がん / 酸化ストレス / 分子疫学 / 遺伝子多型 / 症例対照研究 / スーパーオキシドディスムターゼ / カタラーゼ / グルタチオンペルオキシターゼ |
Research Abstract |
酸化ストレスは、DNA損傷に起因する遺伝子変異を惹起し、発がんに重要な役割を果たしている。生体内には、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)、カタラーゼ(CAT)、グルタチオンペルオキシターゼ(GPX)等の、酸化ストレスを消去する抗酸化システムに関わる酵素や蛋白が存在する。本研究では、酸化ストレスの大腸発がんへの影響を明らかにする目的で、抗酸化ストレス関連酵素遺伝子の機能的遺伝子多型と大腸がんとの関連を検討した。本研究はDNA試料及び調査資料が整備されている大腸がん症例対照研究データベース(研究責任者:九州大学大学院医学研究院・古野純典)を活用したものである。研究対象者は、症例群が福岡市と近郊3地域に在住する大腸がん患者685名、対照群が大腸がんあるいは大腸切除術の既往のない地域住民778名である。機能的遺伝子多型であるMnSOD 47T>C (rs4880)とCAT-262C>T(rs1001179)、及び大腸がんの前がん病変である大腸腺腫との関連が報告されているGPX1 594C>T(rs1050450)について多型解析を行った。各多型の遺伝子型はPCR-RFLP法によって決定した。遺伝子多型と大腸がんとの関連はオッズ比により検討し、多重ロジスティック解析により関連要因の調整を行った。CATのTアレルを有する者において統計学的に有意な大腸がんリスクの減少がみられた。この傾向は男性において顕著であり、女性においては、リスクの減少傾向はみられたが統計学的に有意ではなかった。さらに、CATとMnSOD及びCATとGPX1との交互作用の検討を行ったところ、女性において統計学的に有意なCATとMnSODとの交互作用がみられた。
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