2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21890308
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
野崎 聡 独立行政法人理化学研究所, 分子プローブ動態応用研究チーム, 研究員 (10419707)
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Keywords | 癌幹細胞 / CD44 |
Research Abstract |
いくつかの癌幹細胞ではヒアルロン酸受容体CD44遺伝子が過剰発現していることが報告されている。本研究ではこれらの癌幹細胞マーカーを利用してin vivoイメージングおよびCD44遺伝子プロモーター制御下でヒト1型単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(HSV-TK)が発現するベクターおよび抗ウイルス薬を利用した癌幹細胞選択的細胞死誘導技術を開発することを目的とした。CD44遺伝子を過剰発現した細胞を作成し、これらの細胞および特異的抗体を利用したin vivoイメージングを試みた結果、正常細胞にもCD44分子は発現しているためにS/N比が悪くイメージングを成功させるには多くの検討を要する結果を得た。さらに、CD44分子には数多くのバリアントが存在することが報告されているものの、癌幹細胞での詳細な検討を行った報告は未だない。そこで癌幹細胞に発現しているCD44分子のバリアントについて検討を行ったが結果は得られていない。 癌幹細胞選択的細胞死誘導技術の開発については、HSV-TKを発現するベクターの導入および細胞分裂能への影響などについて検討を行ったものの、満足する結果を得ることが出来なかった。 本研究課題より、癌幹細胞を特異的にin vivoでイメージングすること、さらには選択的な細胞死誘導を惹起させるには正常細胞には発現せず癌幹細胞のみに発現する分子を標的として上記実験を行う必要があると考えられ、現在、このような特異的分子が未だ発見されていない現状を鑑みるに、真の癌幹細胞マーカー分子を探索することが必要であると考えられた。
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