2022 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanisms of chronic inflammation in ovarian stroma
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21F20094
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島田 昌之 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (20314742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ELHAMOULY MOUSTAFA 広島大学, 統合生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 卵巣 / 慢性炎症 / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
卵巣において,加齢に伴う機能低下は,間質における慢性炎症が引き起こす線維化に起因している。この慢性炎症は,一般的にM2マクロファージが引き起こすと考えられているが,卵巣においては閉鎖卵胞周囲にM2マクロファージが集積することが明らかとなった。このM2マクロファージは,TGFβを発現,分泌し,間質細胞のコラゲナーゼ産生を亢進し,線維芽細胞へと変化させていた。この変化の過程で,間質細胞のミトコンドリア代謝能が低下し,グルコースを異化できなくなることで,脂質の蓄積も生じることを示した。この異所性の脂質蓄積が,さらに炎症性サイトカインを分泌させ,卵巣間質の線維化を促進していた。このような卵巣機能を低下させる負のスパイラルが,間質細胞のミトコンドリア代謝能の低下であることに着眼し,機能が劣化したミトコンドリアを消失させるマイトファジーを解析した結果,マイトファジーが誘導されると正常なミトコンドリア同士の結合(マイトフュージョン)も引き続き生じることで,ミトコンドリア代謝能が正常化し,卵巣機能が亢進されることが示された。また,マイトファジー誘導がミトコンドリアの脱共役の亢進と相関し,脱共役剤により誘起できること,この脱共役剤が卵巣機能を亢進し,正常な発生能を有する成熟卵の数を増加させることも明らかとなった。以上の結果から,卵巣機能の低下は,間質における慢性炎症により引き起こされること,この慢性炎症がミトコンドリア代謝能の低下,脂質蓄積,炎症の悪化というスパイラルを引き起こすこと,この負のサイクルを止めることで,卵巣機能を回復可能であることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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