2021 Fiscal Year Annual Research Report
アニオン空孔を制御したメソポーラス酸窒素水素化物の合成とアンモニア合成
Project/Area Number |
21F21032
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
北野 政明 東京工業大学, 元素戦略研究センター, 准教授 (50470117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG ZHUJUN 東京工業大学, 元素戦略研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | メソポーラス / 酸窒素水素化物 / アンモニア合成 / 触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
メソポーラス構造を持つ酸窒素水素化物の探索を行う中で、Ba-Si系酸窒素水素化物の合成に成功した。Ruを担持したBa-Si系酸窒素水素化物は、同じ結晶構造を有する酸化物にRuを担持した触媒と比較して数10倍高いアンモニア合成活性を示した。本触媒は、以前当研究室で見出した酸窒素水素化物であるBaCeO3-xNyHzにRuを担持した触媒よりも高活性であった。また、アンモニア合成に対する活性化エネルギーは60 kJ/mol程度であり、酸化物担持Ru系触媒(約100kJ/mol)よりも低い活性化エネルギーでアンモニア合成を促進できることが示唆された。また、合成したBa-Si系酸窒素水素化物は、表面積が5 m2/g程度であり結晶格子内に、高濃度にN3-およびH-イオンが含まれていることがわかった。さらに、Ba-Si比を変化させることで、表面積が著しく向上し規則的な細孔構造は有していないものの、100m2/g程度の表面積を有する酸窒素水素化物の合成にも成功した。この高表面積なBa-Si系酸窒素水素化物にRuを担持した触媒は、2倍程度高いアンモニア合成活性を示した。このことから、高表面積化による反応に利用できる界面アニオン種の増大が触媒活性向上の主要因であることが示唆された。さらに、本触媒は100時間以上の長時間反応に対しても活性が低下することなく安定であり、反応後の結晶構造も反応前と変化がなく安定な材料であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新物質であるBa-Si系酸窒素水素化物の合成に成功しており、触媒活性も酸化物担持金属触媒よりもはるかに優れていることが示されている。これは、酸化物へのNやHイオンドープがアンモニア合成活性促進に重要であることを示すものであり、本研究提案のコンセプトを立証する結果である。さらに、高表面積化による活性向上にも成功しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、得られた材料の詳細な構造解析を進め、触媒活性向上の要因や反応メカニズムを明らかにしていく予定である。また、材料中に含まれるアニオン種(N3-やH-)の分布や濃度を変化させることでさらなる触媒活性の向上を試みる。
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Research Products
(1 results)