2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21F21058
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
川井 茂樹 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, グループリーダー (30716395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUN KEWEI 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | 表面反応 / 単分子 / 走査型トンネル顕微鏡 / 炭素ナノ構造体 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機合成した小分子を前駆体として用いた表面での化学反応は、ボトムアップ方式により原子レベルで構造が決まった炭素ナノ構造体を生成できるため、近年注目されている。本研究は、その発展に向け、1.表面化学反応の開発、2.炭素ナノ構造体の合成、3.インターカレーション技術の開発を目指した。本研究では、JSPS外国人特別研究員が受け入れ研究者が開発した極低温超高真空走査型プローブ顕微鏡システムを用いて研究を推進した。 本研究課題を申請してから現在までに、3つの項目全てにおいて研究の進展があった。窒素を含む小分子を用いたC-N結合による環化反応、5員環を含むグラフェンナノリボンの合成、ホウ素を含むグラフェンナノリボンの磁性特性、ヘテロカップリングを実現する薗頭反応の開発、シリコンと金の膜によるインターカレーション膜の評価、銅の酸化膜によるインターカレーション、シリコン原子を含んだ炭素ナノ構造体の合成などを実現した。 これらの研究のうち、C-N結合による環化反応、シリコンと金との合金膜によるインターカレーション膜の評価、表面での薗頭反応などは既に報告済みである。また、ホウ素を含むグラフェンナノリボンの磁性特性や、シリコン原子を含んだ炭素ナノ構造体の合成に関する研究は、論文投稿済みである。その他の研究に関して、来年度(R4)中に投稿する予定である
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本JSPS外国人特別研究員は、申請時に受け入れ研究者のもとで既に研究を推進していたため、シームレスに研究を遂行できた。これにより、申請時に予定していた研究内容を大幅に前倒しで進めることができ、当初予定した研究計画より随分と早い進捗であると考えられる。 具体的には、有機化学では保護基として一般的に用いられているトリメチルシリル基(-Si(CH3)3)とC-Cl部位が選択的に反応するヘテロカップリングを見出した。この方向性を持った反応により多様な構造体を表面合成できるようになった。走査型プローブ顕微鏡の探針先端を一酸化炭素分子で終端させ、生成物の構造を直接的に同定することで、反応の選択性を評価した。 これらに加え、スピンを有している小分子の磁性計測にも着手しており、期待以上の研究進展があったと云える
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Strategy for Future Research Activity |
本年度では順調に研究を推進でき、申請書に記述した内容に加え、予想外の研究展開もあった。来年度(R4)では、それらの実験データを考察するとともに、追加実験を行いつつ、論文として報告できるように注力する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] On-Surface Synthesis of Multi-Block Co-Oligomers by Defluorinative Coupling of CF3-Substituted Aromatic Systems2021
Author(s)
S. Kawai, A. Ishikawa, S. Ishida, T. Yamakado, Y. Ma, K. Sun, Y. Tateyama, R. Pawlak, E. Meyer, S. Saito, A. Osuka
Organizer
The 29th International Colloquium on Scanning Probe Microscopy