2021 Fiscal Year Annual Research Report
Species diversity of Japanese snow crane flies under global warming: DNA taxonomy and habitat model
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21F21094
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
渡辺 幸三 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (80634435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KOLCSAR LEVENTE-PETER 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Keywords | ガガンボ / 水生昆虫 / 生物多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
東北地方、四国、九州地方を中心に日本広域における気候・標高・土地利用などの環境条件が異なる数多くの地点で現地調査を行い, Chionea属をはじめとする数多くのガガンボ類の成虫標本を採取した。雪面を探索したり、ピットフォールトラップやスウィープネット法を用いて捕獲した。また、形態学的・分子生物学的解析のための標本採集のほかに、行動観察も行った。四国に生息する種は日没後に活発になり、暗いところでないと採集できないこと、本州や北海道に生息する他の種は昼間でも活発に活動していることがわかった。また、北海道に生息する一部の種は、雪や雨が降り始めるとササの葉の下に潜ることが明らかにされた。これらの新しい情報は、このグループから採集できる標本を大幅に増やし、温暖な条件下でも寒冷適応型昆虫の存在を確認することに活用される。これらの生物・環境調査の他、日本国内の共同研究者や博物館が所蔵するクモガタガガンボ標本もKolcsar博士が有する研究者ネットワークを駆使して、複数のコレクターや博物館から収集することができた。さらに、数多くの貴重な標本が愛媛大学の博物館にも所蔵されていることもわかった。これらの野外および博物館等から集めた昆虫標本は,生殖器や口器など体のパーツごとに形態特徴を実態顕微鏡や生物顕微鏡下で記録した。これらの形態学的分析の結果、日本には少なくとも10種のユキガガンボが生息しており、そのうち6種は新種、1種は日本(北海道)で初めて発見された種であることがわかった。系統解析に必要な多様な種から約250個体を選んでDNAを抽出した。良質なDNAを抽出できたDNA試料を対象にミトコンドリアDNAのcox1領域の塩基配列をシークエンシングで解読した。これらDNA塩基配列の多くはDNAデータベースに登録した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初の計画通り、日本広域から対象種を収集して、DNA塩基配列を解読することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
DN塩基配列データAと形態データを組み合わせて未記載種を記載するとともに、各生息種の気温(積雪)に対する生息適正を解明する予定である。
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[Journal Article] Contribution to the knowledge of Limoniidae (Diptera: Tipuloidea): first records of 244 species from various European countries2021
Author(s)
Kolcsar L-P, P. Oosterbroek, D. I. Gavryushin, K. M. Olsen, N. M. Paramonov, V. Pilipenko, J. Starý, A. Polevoi, E. Eiroa, M. Andersson, J. Salmela, C. Quindroit, M. C. d'Oliveira, E. G. Hancock, J. Mederos, P. Boardman, E. Viitanen and K. Watanabe
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Journal Title
Biodiversity Data Journal
Volume: 9
Pages: e67085
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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