2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study of Off-Target Dose for Proton Boron Fusion Therapy (PBFT) in Pediatric Patients
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21F21103
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡部 浩司 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (40280820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHAHMOHAMMADI BENI MEHRDAD 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2021-09-28 – 2023-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 陽子線 / 中性子 |
Outline of Annual Research Achievements |
陽子線ボロン融合療法(ボロン融合療法(PBFT,proton bron fusion theraphy)の細胞レベルでの有効性についてモンテカルロ法にて評価した。 本研究では、PBFTの効果を細胞レベルで検討するためのフレームワークを開発した。このフレームワークは、本研究で開発されたPHITSモンテカルロパッケージと専用端末ベースのコードエディタを結合した細胞配列生成プログラムにより構成されている。このフレームワークにより、正常細胞質、ホウ素充填細胞質、及びランダムにホウ素を充填した細胞質を有する大規模細胞をモデル化し、PBFTの基礎メカニズムを調べることができるようになった。このフレームワークにより、ホウ素がない場合でも、主に陽子と16 O,12 C,14 N核との相互作用による核反応によって、アルファ粒子と中性子 が生成されることがわかった。PBFTの効果は、入射陽子エネルギー、線源サイズ、細胞アレーサイズ、緩衝材厚さ層、細胞内のボロン分布に大きく依存する。アルファ粒子エネルギー付与の観点からPBFTの有効性をさまざまなケースで定量的に評価するために、一連の増強係数を導入した。得られた結果と開発したツールは、この治療法の有効性を正確に判断するために、今後のPBFT評価に役立つ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、PBFTの評価のためのフレームワーク構築に主に費やした。結果、ほぼフレームワークは完成し、今後、このフレームワークを使った検証を行うことができるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はPBFT評価用モンテカルロコードを用いて、ボロンの濃度、陽子線のエネルギー、細胞の大きさなど、さまざまな条件で照射シミュレーションを行い、PBFTの治療効果を検証する。またより人体を模擬した計算ファントムを設計しシミュレーションコードに実装する。さらに実際の細胞を用いた実験を実施し、PBFTのシミュレーションの結果と実験とを比較する。実験としてサイクロトロンを用いて、陽子線を加速し、細胞に照射を行う。細胞の損傷を定量的に評価し、PBFTがボロンの濃度によって、どのように変化するかを検証する。
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