2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of crack propagation in heterogeneous rock masses under high temperature and high pressure conditions
Project/Area Number |
21F21715
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐藤 晃 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (40305008)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHARAFISAFA MANSOUR 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2021-07-28 – 2023-03-31
|
Keywords | 地熱 / CCS / 地層処分 / き裂進展 / 不均質岩盤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,地熱開発や二酸化炭素地中貯留あるいは高レベル放射性廃棄物の地層処分などの地下岩盤を利用する際に最も重要となるき裂の発達と制御について研究を行うものである。とりわけ,これらのプロジェクトにおいては高温の岩盤を対象としているため,き裂進展や地熱エネルギーの回収に用いられる水により温度低下が生じ,結果,大きな熱応力が発生する。本研究では,岩盤応力に加えて大きな熱応力が発生する場でのき裂の進展プロセスに主眼を置いて研究を行うものである。 地熱開発や二酸化炭素地中貯留あるいは高レベル放射性廃棄物の地層処分などの地下岩盤を利用するプロジェクトにおいては,岩盤内に進展するき裂の制御がその成功の可否に繋がる。とりわけ,深部地下では高温・高圧状態となり,常温・常圧状態下での岩石内部でのき裂進展とはメカニズムが異なる。本研究では,き裂内部を動作流体が流動する場合において,き裂の進展,き裂面での熱交換およびそれに伴う熱応力を総合的にモデル化し,深部地下の破壊現象を個別要素法あるいは有限要素法などの数値解析により明らかにすることを目的として研究を実施した。特に,熱応力が発生する場でのき裂進展プロセスに注目し,不均質な岩盤内でのき裂発生メカニズムを明らかにした。研究は昨年10月よりスタートしたが,岩盤内に作用する差応力とき裂進展方向,き裂進展長さなどについて解析を実施し,更に水圧の変動する領域,いわゆる破砕領域の定量化にも成功している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年10月に研究をスタートし,不均質岩盤内でのき裂進展解析コードの開発を行ってきた。その結果,断層などの不連続面を持つ構造や巨視的に不均質な岩盤を再現し,様々な応力場でのき裂進展解析が可能であることが分かった。このように,研究進展のための基礎的な開発はほぼ完了しつつあり,おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
二酸化炭素地中貯留あるいは高レベル放射性廃棄物の地層処分,とりわけ地熱開発では対象となる岩盤は200℃~300℃といった高温状態におかれている。このような高温の岩盤内で水圧破砕を実施した場合,動作流体である水により温度が低下する。その結果,非常に大きな熱応力が発生することが予想される。これまでは岩盤の不均質性および応力場とき裂進展の関係について研究を行ってきたが,今後は,高温岩体発電(HDR)を想定した岩盤を想定し,水圧破砕により岩盤内部に亀裂を発生させて場合の温度の変化と,それによる熱応力の影響を考慮し,フラクチャーネットワークの進展解析を実施する予定である。
|
Research Products
(1 results)