• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Annual Research Report

Comprehensive evaluation of germinabilities of seeds of herbarium specimens based on multi storage facilities and exhaustive taxon sampling.

Research Project

Project/Area Number 21H00620
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

志賀 隆  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (60435881)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 伊東 拓朗  東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (10827132)
首藤 光太郎  北海道大学, 総合博物館, 助教 (60803723)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords植物標本 / 標本種子 / 博物館 / 発芽 / TTC染色
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、①どのような種、②どのような状態の標本種子が生存しているのか、また標本種子より③復元された集団に含まれる遺伝的多様性を明らかにすることである。その為に、日本国内の複数の標本庫より標本種子を得ると共に、複数の分類群において標本種子の調査を行い分類群横断的な比較を可能にする。そして、標本種子由来の芽生えについて系統保存、展示による普及教育活動、野生復帰の検討を行い、④博物館標本を基にした新たな生物保全のフレームワークを構築する。
2022年度は①、②について、大阪市立自然史博物館、北海道大学総合博物館、東北大学植物園の各標本庫から複数の分類群の標本種子を得て、発芽実験および染色試験を試みた。のべ60科65種189標本について評価を行い、7科7種19標本(10.8%の種)から発芽、14科14種27標本(同 21.5%)で生存が認められた。また、申請者が2012~2013年にかけて8通りの標本作製処理を施して保存していた種(カンガレイ、イヌハギ、コガマ、タコノアシ、キクモ、ホシクサ、ヒメミソハギ、ビロードモウズイカ、ナズナ、コハコベ)の種子に対して発芽・染色試験を行い、標本作製時の乾燥温度とその後の保存温度が種子の生存に影響を及ぼしていることが明らかになった。
③については、標本およびその種子や実生と、採集された野生集団の遺伝的多様性を評価するために、これまで標本種子の生存が確認されているミクリ属を中心に予備実験を行った。ミクリ属のうち、オオミクリ、ミクリ、ナガエミクリについて種子の胚からDNAサンプルを得てマイクロサテライトマーカーを用いた予備解析を行ったところ、種間、集団間の複数遺伝子座において多型を得ることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究実績の概要の項に挙げた①~④のうち、①~③を中心に研究を進め、それぞれ当初の目標に掲げた水準に達する成果を得ることができた。

Strategy for Future Research Activity

2023年度は研究実績の概要に挙げた①~④のうち、②、③、④について研究を進める。②では大阪市立自然史博物館、北海道大学総合博物館、東北大学植物園の各標本庫からコガマ、イヌハギ、アカメガシワなど10-15種について複数の採集年代の標本種子を得て、詳細な発芽実験を試み、利用可能な標本の採集からの経過年数および状態を明らかにする。また、これらの候補種は申請者が2012~2013年にかけて8通りの標本作製処理(乾燥温度3条件×保存温度2条件×酸素2条件)を施して保存している。既に10種について実験を行ているが、アカメガシワを含む数種の種子に対して発芽・染色試験を行う。
③については、標本種子からの発芽実験に成功した中から2~3種(マメ科、ベンケイソウ科)を選抜して、標本およびその種子や実生と、採集された野生集団の遺伝的多様性を評価する。また、可能であれば、発芽種子と未発芽種子について遺伝的多様性を評価し、近親交配の程度が発芽の可否に関わっていたかを検討する。評価に際して次世代シーケンサーを用いたMIG-seq法(Suyama and Matuki 2015)によって縮約ゲノム解読を行う。
④については、選定した種について、標本種子から発芽した植物の栽培・系統保存作業を進める。また、研究代表者・分担者が所属する博物館や植物園において生品展示、企画展を開催することにより、研究成果を社会にフィードバックし、生物多様性の保全や博物館標本対する市民の意識・理解の向上につなげる。

  • Research Products

    (3 results)

All 2023 2022

All Journal Article (2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] ある低湿地の水草の記録:新潟県新潟市西区黒鳥で 1900年~1920年代に採集された水生植物標本2023

    • Author(s)
      志賀隆
    • Journal Title

      水草研究会誌

      Volume: 114 Pages: 11-19

  • [Journal Article] 新潟大学植物標本庫(NGU)の紹介2022

    • Author(s)
      志賀隆
    • Journal Title

      水草研究会誌

      Volume: 113 Pages: 63-64

  • [Presentation] 標本作製処理がカンガレイ(カヤツリグサ科) の種子に及ぼす影響2022

    • Author(s)
      田中美優・平澤優輝・ 加藤 将・志賀 隆
    • Organizer
      水草研究会

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi