2021 Fiscal Year Annual Research Report
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21H00682
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
飯田 健 同志社大学, 法学部, 教授 (50468873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松林 哲也 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (40721949)
大村 華子 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (90612383)
村上 剛 立命館大学, 法学部, 准教授 (80737437)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | COVID-19 / 権威主義的態度 / 個人情報収集 / digital authoritarianism |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、予定どおりオンラインサーベイおよびオンライン無作為化実験を実施し、以下の研究課題に取り組んだ。 第一に、脅威の権威主義的態度に対する不均一な効果の検証。先行研究では脅威認識は政府の役割についての権威主義的態度(個人の自由の保護よりも社会の秩序の維持を重視する)を強めるかどうかについて、mixed resultsである。そのパズルを解決する取り組みとして、個人の属性による脅威の不均一な効果に着目する先行研究がある、これをCovid-19の事例に適用し、Covid-19のnormativeおよびphysicalな脅威は権威主義的態度を強めるのか、個人の特性(例えば党派性、リスク態度、コロナ感染経験、コロナ感染リスク認識など)による条件付効果も含めて検討した。 第二に、コロナ不安と現状維持投票の関係。先行研究では、コロナの脅威は有権者の政治的選択における安定志向を強めestablishment candidatesへの投票を促すことが主張されている。また、多くの国でコロナの脅威は政権の支持を一時的に上昇させた。しかし、理論的にコロナの脅威は変革志向をもたらす可能性もあると考えられる。実験では、どのような条件下でコロナの脅威が政治的変革志向に繋がるのか検討した。 第三に、Digital Authoritarianismの受容。コロナ禍において、政府の個人に対する監視や個人情報の収集の強化に対する懸念が論じられているが、そうした動きに対する有権者の態度は検証されていない。有権者はどのような条件下でどのような種類の政府による情報収集を受け入れるのか、何が懸念の原因なのかを検討するために実験では、このように忌避感の強い政府による情報技術を通じての個人情報の取得の取得容認に与える要因としてコロナ感染対策の理由付けの効果を犯罪防止の理由付けとの比較で検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は2022年度の本格的なオンラインサーベイ実施に向けての準備(文献サーベイ、理論・仮説の構築、パイロットサーベイの実施)を主な目的としていたが、これはおおむね達成された。また2022年度の調査に向けてカナダの研究協力者とオンラインでミーティングを重ね、共同研究プロジェクトのアイデアについても具体的に検討することができた。さらに研究チームで検討したところ、本年度のオンラインサーベイからも少なくとも数本の論文が執筆できる見込みが立った。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、理論的検討をもとにオンラインサーベイを2回もしくは3回実施を行う。また取得したデータをもとに、カナダの研究協力者と共同で日本およびカナダの比較研究を行う。これらを論文としてまとめ、国際ジャーナルに投稿する。
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Research Products
(5 results)