2022 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルビジネスの展開とソーシャル・アントレプレナーシップの統合的研究
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21H00752
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
横山 恵子 関西大学, 商学部, 教授 (00349325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江島 由裕 大阪経済大学, 経営学部, 教授 (00382359)
後藤 祐一 尾道市立大学, 経済情報学部, 准教授 (10613581)
金井 一頼 青森大学, 機関の長, 学長 (50142831)
新藤 晴臣 中央大学, 戦略経営研究科, 教授 (70440188)
勝又 壮太郎 大阪大学, 大学院経済学研究科, 教授 (80613588)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ソーシャル・アントレプレナーシップ / 制度ロジック / 就労移行支援事業 / 事業承継 / 創設者シンドローム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度遂行した研究は,以下の3点である。 第一に,ソーシャル・アントレプレナーシップのサーベイ研究を実施して,概念化の軌跡と課題をとりまとめた。先行研究を整理して,SE概念化の試みを整理し,その基本的な特徴を4つの基本的構図としてまとめた。中でも,制度ロジックに基づく概念化とその実証研究が欧米を中心に世界で展開されてきている様を整理した。そして,ソーシャル・アントレプレナーシップの社会性基準と資源動員の側面からの課題を導出して,今後のこの分野における研究上の焦点を明らかにした。 第二に,日本の障がい者の就労移行支援事業会社のソーシャル・アントレプレナーシップを制度ロジックの視座から複数事例分析を行い,社会性ロジックと経済性ロジックへの重きの置き方によってマネジメント成果が異なることを見出した。 第三に,ソーシャル・アントレプレナーシップの伝承問題として事業承継に着目して,ソーシャル・アントレプレナーシップの事業承継に絡む諸課題を明らかにするとともに,その緩和策・解決策を定量的かつ理論的に検討した。具体的には,文献研究から,事業承継というソーシャル・アントレプレナーシップ伝承の成否を規定する要因として,創設者シンドローム,リーダー・TMT特性,事業承継計画,ガバナンス,組織特性の5要因を抽出し,それら要因に基づく分析フレームワークを構築して,日本のNPOにアンケート調査を実施し分析した。その結果,創設者シンドロームという現象が日本のNPO業界に生起していること,その緩和のためには組織化の程度が大きく影響することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多面的な切り口からソーシャル・アントレプレナーシップの分析が進んでおり,順調に研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は,多様なソーシャル・アントレプレナーシップ現象の中でも,協働によるソーシャル・アントレプレナーシップ,集合的ソーシャル・アントレプレナーシップと,コーポレート・ソーシャル・アントレプレナーシップにフォーカスして,研究を進めていく。 具体的には,日本の先進事例研究を行い,論文化して海外に発信していく。
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Research Products
(10 results)