2022 Fiscal Year Annual Research Report
パーソナルネットワークに着目したグレイ・デジタル・デバイドに関する実証的研究
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21H00779
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
北村 智 東京経済大学, コミュニケーション学部, 教授 (40511960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片桐 恵子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (80591742)
森 玲奈 帝京大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70588087)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 超高齢社会 / ICT利用 / 社会的支援 / 対人ネットワーク / 家族・親族 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度には、2021年度に行った定性的面接調査の分析を行なった。これにより、高齢者のスマートフォン利用に関する困難とその解消方法に関する理解を進めるとともに、定量的パネル調査第1波の調査内容の検討を進めた。この分析の研究成果については、2022年度の日本社会心理学会第63回大会で報告を行なった。 また、この定性的面接調査にもとづき、定量的パネル調査第1波の調査内容を決定し、調査を実施した。定量的パネル調査第1波は首都圏・中京圏・近畿圏に居住する55-79歳の男女800名(男性385名、女性415名)を対象として実施した。標本抽出法はランダムロケーション・クォータサンプリングを用いた。地点抽出では都市規模(5区分)および地域(3区分)によって層化を行なって62地点を抽出し、性(男女)および年齢層(55-59歳、60-69歳、70-79歳)による割当を行なった。調査実施後に定量的パネル調査第1波データの分析を進めた。これにより、中高年・シニア世代のパーソナルネットワークとICT利用の関係、ICT利用に際して得ている社会的支援についての定量的把握を進めた。 この他に、高齢者を親にもつ中年世代を対象としたオンライン調査を実施し、その分析を進めた。このオンライン調査によって、親としての高齢者に対する子世代からの支援内容とその困難について知見を得た。 また、定量的パネル調査第2波の準備の一環として、2022年度から2023年度に研究期間を延長して定性的面接調査を実施し、高齢者のスマートフォンの利用内容およびその困難と獲得している支援についての質的検討を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画にしたがって、実施済調査の分析および定量的パネル調査第1波の実施および分析の開始は進められた。しかしながら、コロナ禍による感染者数の増加時期を避けて調査を実施していたために、調査実施計画の実施にスケジュールの遅れが生じた。この結果として、2022年度後半に実施予定であった定性的面接調査については2022年度中の完了が困難となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に予定していた定性的面接調査について2023年度上旬に完了させるとともに、定量的パネル調査第2波の実施を確実に進めるように研究を進める。 これとともに、分析結果について関連学会での発表を行ない、研究成果を取りまとめて論文としての公表を進めていく。
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Research Products
(1 results)