2022 Fiscal Year Annual Research Report
安心・安全で持続可能な衣生活を指向した「天然由来」新奇ナノファブリックの創製
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21H00806
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
高崎 緑 京都工芸繊維大学, 材料化学系, 准教授 (00402149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 英明 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (10230103)
宝田 亘 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (50467031)
鞠谷 雄士 東京工業大学, 物質理工学院, 特任教授 (70153046)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ナノファイバー |
Outline of Annual Research Achievements |
溶媒不要のレーザーエレクトロスピニング(LES)と「複合紡糸」を融合した新規手法によって創製したナノファブリックについて諸特性を評価した。芯鞘(S/C) および海島(S/I) 複合繊維は、鞘または海成分としてポリ (L-乳酸)(PLLA)、芯・島成分としてポリ (D-乳酸)(PDLA) で構成される。LESで作製したas-spun繊維の分子配向は、巻取速度の増加による繊維径の減少に伴い増加した。WAXD測定の結果、as-spun繊維は非晶性であることが確認された。DSC 曲線をみると、冷結晶化ピークに続いてホモ結晶 (HC) およびステレオコンプレックス結晶 (SC) の融解ピークが観察され、SC のピークは S/I ファイバーの方が大きかった。DSCの結果から、繊維断面における PLLA 分子鎖と PDLA 分子鎖の相互拡散に必要な距離は、DSC 測定中のHCからSCへの結晶形の転移に大きく影響すると推測された。一方、as-spun繊維に熱処理を施したところ、分子配向が増大し巻取速度の増加に伴い顕著となった。HCの融解温度より高い190℃でas-spun繊維を熱処理した場合、S/C繊維は融着したのに対し、S/I繊維は融着せず高度に配向したSCから構成され繊維同士が十分に分離された極細繊維が得られた。これらの結果から、新規プロセスを適用したナノ階層構造の制御によって、従来のポリエステル繊維に匹敵する実用性能レベルを達成し得る諸特性発現に関する指針が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に対し,概ねの計画実施と関連する成果が得られたため.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究成果をもとに、本プロセスにて作製したナノファブリックの応用化に向けた検討を行う予定である。
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Research Products
(4 results)