2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21H00844
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
仲谷 正史 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 准教授 (90714965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 有子 お茶の水女子大学, 教学IR・教育開発・学修支援センター, 講師 (50826972)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 保育学 / 身体動作 / Body Organization / 自動定量 / 身体意識 / Body Awareness / ソマティック・エデュケーション / OpenPose |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の交付課題の研究実績は以下の4点である。これらの内容を実施し、学術講演会にて研究成果を報告した。 (1) 身体動作の計測環境の構築 (2) 計測環境で実施する身体動作の考案 (3) (1), (2)を利用した身体動作データの取得を通した概念の検証 (4) (3)で取得した身体動作データのコンピュータビジョンによる動作解析と定量化
人間が発揮する身体動作を、理学療法士であり舞踊家でもあったIIrmgard Bartenieffが提案した様々な動きの基盤となる身体の動き6種類:Body Organization (BO)で理解することを目標に、身体動作の計測環境の構築に取り組んだ。6種類の身体動作の中から、乳幼児でも実現可能な3つの身体動作:Upper-Lower(上半身- 下半身)、Body-Half(右半身- 左半身)、Cross-Lateral/Diagonal(斜めクロス)を概念検証のために選定した。この3つの身体動作を構築した撮像環境で確かに記録してデータ解析できるかを検証するために、まず成人の実験参加者3名で計測した。実験参加者は、参加者とカメラの中間地点に置かれた電子メトロノームが発する80bpm のテンポ音に合わせて上述の3つの身体動作を行い、その様子をデジタルカメラを利用して動画撮像した。この2次元撮像データを姿勢推定を行う画像解析ソフトウェアシステムOpenPose を利用して解析し、身体の関節位置を検出した。3 種類のBOそれぞれの特徴的な動きが表れる身体部位として、左右の肘関節と膝関節の画像中の相対位置を選定して詳細なデータ解析を実施した。結果、テンポ音に合わせて規則的な身体動作を発揮している様子を捉えることができた。また、ダンス学習経験者とそうでない実験参加者の間で身体動作の洗練度を示すデータも得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度の交付課題は月2回のペースで共同研究者の橋本博士と研究ミーティングを行い、研究を進めた。特に、動作解析を利用したBody Organization を定量化する研究について、まずは成人を対象とする身体動作定量化の検討を始めたが、この研究成果物は、2021年12月に開催された計測自動制御学会第22回システムインテグレーション部門講演会(SI2021)にて発表した。初年度から学会発表が実施できる程度に研究テーマは括弧としており、当初の計画通り、順調に進んでいると申請者は判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
学会発表を行った動作解析を利用したBody Organization を定量化する研究について、成人で実験参加者を集めて、身体動作の自動定量化がどこまで簡便に実現できるかの実証検討を進める。
これと同時に、本研究提案書で書いていた、乳幼児が発揮する身体動作の発達具合の定量化を実現するための検討を進める。2021年4月ー2022年3月の期間は、新型コロナウィルス感染症が収束しておらず乳幼児の実験参加者を実験室に迎えての検討が行えなかったが、2022年度にCOVID-19対策が広く普及し、実験参加者が確保できるようになった時に備えて研究を進める考えでいる。
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Research Products
(3 results)