2021 Fiscal Year Annual Research Report
Effective observational analysis to learners' behavior by visual search strategies
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21H00887
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
軍司 敦子 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (70392446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹市 博臣 国立研究開発法人理化学研究所, 情報統合本部, 専任技師 (60242020)
加賀 佳美 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (20436877)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非侵襲脳機能測定 / ワイヤレス脳波測定 / 視線解析 / 注目行動 / 周辺視野 / 知的障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,注意や社会性認知が発達途上の知的障害者について,対人コミュニケーション場面における周辺視野の視覚探索ストラテジーを探ることである.教室や学習環境である病棟にて活動する際に,彼らが正面(中心窩)に捉えていない情報を速やかに参照することの難しさを客観的に定量評価することによって,エビデンスに基づいた,参照しやすくなる教示法の考案や環境整備に役立てたいと考えている.ひいては他者への働きかけ行動を支える視覚探索ストラテジーを明らかにするため,まずはヒトや物,文字等への注目行動に焦点を絞り,①視覚認知における視空間情報処理の偏りと,②注意の指向性コントロールの妨げとなる視空間的・社会的要因に留意して,行動や意思決定と同期する視線と脳機能の解析から検討する. 研究2年目に,知的障害のある中高生を対象に学習環境での行動調査をおこなうため,本年度(研究1年目)は,対照群である健常成人や定型発達児を想定し,行動や意思決定と同期する視線と脳機能を検出するパラダイムを作成した.作成にあたっては,周辺視野における視覚認知や視覚障害,知的障害,発達障害に関する心理学・生理学分野の文献研究をおこない,その成果の一部は,高校生を対象とした特別支援教育に関する模擬講義や教育委員会主催の小・中・高等・特別支援学校の教員研修会等で紹介した.併せて,被験者の感染防止対策および心身ストレス軽減を目指し,脳波と視線のワイヤレス計測装置を用いた視空間認知データ収集の実験システムを構築した.この成果の一部は,学会や研究懇話会を通じて広く紹介した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
行動や意思決定と同期する視線と脳機能を検出するパラダイムは,先行研究を参照し,予備実験を通じて作成した. 実験システムとしては,被験者の感染防止対策,および,児童生徒を対象としても実施可能な,心身ストレスが極力,軽減された機器の運用を目指した.マスク着用による稼働が可能で,皮膚への前処置が不要のため取り付けが簡易でごく短時間にすむ,無線によるドライ・アクティブ電極を搭載した軽量のヘッドバンド型脳波計と眼鏡型視線計測装置を用いた視空間認知データ収集の実験システムを,予備実験を繰り返して構築した. まん延防止等重点措置や緊急事態宣言が長期化したことが影響し(2021年4月20日~同年9月30日,2022年1月21日~同年3月21日),被験者ボランティアのリクルートや感染予防手続きによる実験時間の延長等における困難がいまなお続いているものの,その期間は実験パラダイムやシステム,解析法等について,個人作業あるいはオンラインによる共同研究者との検討にあてることによって,研究1年目中に,健常成人ボランティアを対象にこのパラダイムとシステムを用いたデータ収集を開始することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
研究1年目に構築した視空間認知データ収集の実験システムとパラダイムを用いて,対照群のデータ収集を継続し,①視覚認知における視空間情報処理の偏りと,②注意の指向性コントロールの妨げとなる視空間的・社会的要因に留意した視線と脳機能について時空間解析をおこなう.その結果から,注意や社会性認知の障害や発達途上の知的障害のある人における,対人のコミュニケーション場面での他者への働きかけ行動について,行動や意思決定と同期する周辺視野の視覚探索ストラテジーとその神経基盤を検討する. 併せて,知的障害のある中高生を対象に,より日常に近い学習環境である教室や病棟における自由行動の状態で,ヒトや物,教材等への注目にともなう視線等の生体信号について,対教員の講義形式と生徒同士のグループ活動等の場面にて収集し,特徴を抽出する.実施にあたっては,被験者の感染防止対策および心身ストレス軽減のため,マスク着用による稼働が可能で軽量のワイヤレス眼鏡型視線計測装置を用いておこなう. 以上の解析結果に基づき,次年度以降のデータ収集に関する手続きや具体的な解析方法の修正について準備する.
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Research Products
(8 results)