2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study on Relationship Value and Reconciliation from the Micro-Macro Perspective
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21H00931
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大坪 庸介 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (80322775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 昌宏 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (00533960)
多湖 淳 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80457035)
大平 英樹 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (90221837)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 和解 / 関係価値 / 政治的謝罪 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、関係価値と和解をキーワードとして、対人的(ミクロ・レベル)及び国家間(マクロ・レベル)関係を扱う実証研究を行った。 対人的信頼が関係価値に及ぼす効果を検討するために、自分を信頼してくれる相手の関係価値をどのように調整するのかを、繰り返しのある信頼ゲームを用いて検討した。具体的には、自身の公正さを信頼してくれる相手を、信頼してくれない相手よりも取引パートナーとして選びやすくなるのかを検討する実験を行い、パートナー選択パターンを強化学習モデルにより分析した。この際、報酬の大きさと信頼を独立に操作したところ、信頼の効果は必ずしも大きくなく、報酬の大きさの影響が大きかった。この結果は、報酬の大きさと信頼の効果のバランスが悪かったことを示唆しており、実験マテリアルを改善して、継続して検討する必要があることを示唆する。 国家間の和解に関しては、従来、国際政治学においてコストのかかる融和イニシアチブが、和解意図シグナルとして相手国に伝わり、その結果、和解が促進されると指摘されていた。この仮説を検討するためにシナリオ実験を実施し、実際にコストのかかる融和イニシアチブが和解意図のシグナルとして受け手に解釈されることを明らかにした。ただし、この場合のコストは、取り下げ不可能な形でなされた譲歩でなければならない可能性が示唆された。例えば、領土問題がコンフリクトの原因である場合、懸案となっている領土に一方の国が有している軍事施設を解体すること、あるいは懸案の地域が相手国により実効支配されている場合に、その領有権を放棄することもコストのかかる譲歩とみなされる。逆に言えば、国家間の紛争における融和イニシアチブは、このくらい断固としたものでなければ効果がない可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)