2021 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental study on open quantum many-body systems using strongly correlated cold atoms
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21H01014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高須 洋介 京都大学, 理学研究科, 准教授 (50456844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
段下 一平 近畿大学, 理工学部, 准教授 (90586950)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 量子多体系 / 開放系 / 開放量子多体系 / 冷却原子 / エンタングルメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、光格子中のボース凝縮またはフェルミ縮退領域まで冷却されたイッテルビウム(Yb)原子を用いて、制御された非平衡開放量子多体系の量子ダイナミクスを実験的に研究することで、これまでそれほど探究されなかった「制御された開放量子多体系」というフロンティアを開拓することを目的としている。孤立量子系で行ってきた、研究代表者の高須が遂行する実験的研究と研究分担者の段下が遂行する理論的研究の一致を開放量子系でも目指す。また散逸が誘起する、エンタングルメントの体積則・面積則の転移などの新たな物理現象の探索を行う。2021年度は、研究代表者の高須は、光格子中に捕獲されたボース原子およびフェルミ原子を用いた非平衡ダイナミクスの実験的測定を行った。また、研究分担者の段下は、ボソン冷却原子系、フェルミオン冷却原子系だけでなく、スピン系を含めた。新たな理論的な実験提案を含む様々な理論的研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2021年度では、研究分担者の段下が独自に提案した系を中心に実験を行った。例えば、ボソン光格子系において、特異的な初期状態から光格子深さを急に浅くすること(クエンチ)で原子の光格子間のホッピングを引き起こし、そこからの原子の状態を観測した。この実験においては研究代表者の高須と分担者の段下らのグループでより強力な共同実験を可能にするため、遠隔で実験装置を制御することを可能にするためのクラウド設備の充実を行った。さらに、研究代表者の高須はスピン相関の散逸によるダイナミクスの測定などの実験的も行った。研究分担者の段下は研究分担者の段下は、ボソン冷却原子系、フェルミオン冷却原子系だけでなく、スピン系を含めた。新たな理論的な実験提案を含む様々な理論的研究を行った。このように、研究は当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は引き続き、散逸が誘起するエンタングルメントの体積則・面積則の転移などの新たな物理現象の探索を行う。実験と理論の定量的な議論は随時おこなっていくとともに、ボソン系でだけでなくフェルミオン系やスピン系での非平衡ダイナミクスの研究も探究する。このように、2021年度に得られた成果をより深度化させる。
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Research Products
(26 results)