2021 Fiscal Year Annual Research Report
Unusual Thermoelectric properties in Topological Insulators with various Device designs
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21H01024
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松下 ステファン悠 東北大学, 材料科学高等研究所, 助教 (90773622)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 熱電物性 / トポロジカル絶縁体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、バルク絶縁性の高い3次元トポロジカル絶縁体(3D-TI)において、3D-TI/強磁性体ヘテロ構造やTIの多孔質化といった多彩なデバイスデザインを設計・作製し、表面ディラック電子に期待される高い熱電性能の発現とそのメカニズム解明を行うものである。本年度は、申請時の計画にあるように①電気伝導、ホール伝導、ゼーベック係数、ネルンスト係数の4物性同時測定システムの構築、②ヘテロ構造の熱電物性の詳細測定、③多孔質TIデバイスの作製とテスト測定の3点を行った。 ①の測定システムは構築を完了し、試験的に行ったBSTS薄膜の測定においては、従来の測定システムと一致した測定結果を得た。また、ゼーベック係数とネルンスト係数を磁場中で測定可能となったことで、電気伝導測定では微弱にしか見えなかった量子振動が明瞭に観測され、「熱電係数が輸送現象の本質的メカニズム解明の強力なツール」とした本研究申請時の言及を裏付ける結果を得た。 ②のヘテロ構造の測定では、表面ディラック電子の伝導が支配的な20nm程度の薄膜において、低温域で抵抗が上昇する振る舞いや、非常に強い量子振動をゼーベック係数で観測するなど、強磁性体による磁気近接効果の影響と思われる結果を複数観測した。また、ネルンスト係数においては、通常の膜では数μVの大きさであったものが、ほとんどゼロとなるなど、ヘテロ構造化により大きく変化する振る舞いを観測した。 ③の多孔質TIについては、50nm程度のバルク伝導の寄与が支配的な膜厚領域において、金属的な伝導特性を示す測定結果を観測した。先行の理論研究においては、多孔質化による表面積増大によって、厚い膜厚においても表面伝導が支配的になり得るとされており、本測定の結果はそれを示唆するものであると考えている。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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