2023 Fiscal Year Annual Research Report
ブリージング異方性の制御によるカゴメ反強磁性体の異常磁気物性の開拓
Project/Area Number |
21H01035
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 紘行 北海道大学, 理学研究院, 教授 (30566758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳴海 康雄 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (50360615)
井原 慶彦 北海道大学, 理学研究院, 講師 (80598491)
石井 裕人 東京大学, 物性研究所, 助教 (40897211)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ブリージングカゴメ反強磁性体 / 磁化プラトー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は1/9磁化プラトーを示す古典カゴメ反強磁性体Li2Cr3SbO8においてブリージング異方性および量子性を摂動パラメータとして制御し、それらが磁気状態にどのような影響を与えるのかを明らかにし、カゴメ反強磁性体研究の新たなフロンティアの開拓を目指すものである。 2023年度はフラックスの選定をはじめとする結晶育成条件を最適化することで、最大で500 μmの単結晶を得ることに成功した。X線回折実験により複数の単結晶試料の結晶方位を揃えることで、磁気異方性および精密比熱測定を行うことに初めて成功した。その結果、本物質の異方性は非常に小さいことを明らかにした。興味深いことに、理論的考察から、本物質の零磁場基底状態の磁気構造がボンド磁気トロイダル双極子の渦がなすフェリ秩序として理解できることが明らかになった。このことは、本物質において非従来型の磁気光学効果が生じることを示唆している。幸い、単結晶が得られたことにより光学実験が可能となったため、期間終了後も継続して研究を進めることで、発展的課題として本物質のブリージング性に起因する特異な磁気光学効果の開拓が期待される。 Li2Cr3SbO8のCr3+イオン(S = 3/2)をより大きなスピンを有するMn3+(S = 2)とFe3+(S = 5/2)に置換した関連物質の物性評価を進めた。特に、強磁場磁化測定の結果、これらの物質では1/9磁化プラトーは生じないことが明らかになった。現時点で、MnおよびFe化合物のブリージング異方性の大きさや磁気相互作用ネットワークの詳細等の評価には至っていないが、精密物性計測と理論解析を継続して行い、Crの物性と比較することで、ブリージングカゴメ反強磁性体の異常磁気特性の総合的な理解につながると期待される。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Emergent SU(3) flux on the magnon thermal Hall effect in the antiferromagnetic skyrmion lattice2024
Author(s)
H. Takeda, M. Kawano, K. Tamura, M. Akazawa, J. Yan, T. Waki, H. Nakamura, K. Sato, Y. Narumi, M. Hagiwara, M. Yamashita, and C. Hotta
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Journal Title
Nat. Commun.
Volume: 15
Pages: 566-1-8
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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