2023 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration of novel material functions utilizing angular momentum conversion in symmetry-broken magnets
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21H01036
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野瀬 佳文 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80436526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 英俊 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (20849278)
新居 陽一 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (80708488)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 角運動量 / フォノン / キラリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、空間反転対称性や時間反転対称性の破れによって顕在化した電子、フォノン(弾性波)、マグノンなどの角運動量の変換現象を研究することを目的としている。2022年度に、らせん磁性体MnAu2薄膜とスピンホール物質Pt薄膜からなる二層デバイスにおいて新しい角運動量変換現象を見出した。これは、電流印加によってらせん磁性層にスピン角運動量の蓄積が発生し、それがPt層に拡散することによって、逆スピンホール横電圧が生じる効果であり、キラリティに依存した横抵抗成分が生じるものである。2023年度は、論文査読者の勧めに応じて、検証実験として、PtとMnAu2の間にCu層を入れた三層デバイスの研究、およびスピンホール物質をWとした二層デバイスの研究を実施した。それぞれの測定で、拡散スピン流による横電場という提案したメカニズムと矛盾がない実験結果を得ることが出来た。これにより、査読者の理解が得られて論文を出版することが出来た(Masuda et al. Nature Commun. 2024)。また、MnAu2薄膜におけるマイクロ波応答の研究を行い、らせん磁性における磁気共鳴励起のシグナルを得ることにも成功した。40GHzまでのマイクロ波測定装置を整備して、MnAu2薄膜のマイクロ波吸収の詳細な磁場依存性を測定したところ、らせん磁気状態において30GHz以上にらせん磁性における+Qモードの磁気共鳴と思われるマイクロ波吸収ピークを見出すことが出来た。らせん磁性のキラリティに依存する逆エデルシュタイン起電力など、磁気共鳴に由来する新奇現象を開拓する基礎が出来たと考えられる。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Presentation] FMRに誘起されたスピン・軌道モーメントの磁化歳差運動に対する時分割XMCD測定2023
Author(s)
石井祐太, 山崎裕一, 小塚裕介, Jana Lustikova, 新居陽一, 小野瀬佳文, 横山優一, 水牧仁一朗, 足立純一, 中尾裕則, 有馬孝尚, 若林裕助
Organizer
日本物理学会第78回年次大会
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